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March 02, 2004
『世界情報通信サミット2004』

報告が少し遅くなってしまったが、2/23-24に東京国際フォーラムで開催された日経新聞主催の「世界情報通信サミット2004」に行ってきた。

今年で7回目となるこのサミット、今回のテーマは「デジタルIDで始まる大変革」ということだが、無線ID(RFID)タグなどの自動識別技術がもたらす変化が議題となっている。モノやヒトを瞬時に個体識別できるこの技術が普及すれば、商品流通の構造を変えるだけでなく、新たなビジネスモデルや社会制度が生まれるのではないかと、今この技術に非常に大きな期待が寄せられている。

・・・が、僕はこのサミットに出て様々な人の話を聞かせてもらった結果、正直、「ちょっと盛り上がり過ぎなんじゃないかなぁ」という印象を持った。

もちろん、盛り上がることは第一義的には良いことだ。様々な議論が活発に行われることによって、この技術に対する世の中的関心が高まるのは悪いことではない。しかし、逆説的だけど、この技術がスムーズに普及し、より大きな社会インパクトをもたらすためには、もうちょっと「ひっそり」と議論が拡がっていったほうが良いのではないかとも思う。

このサミットでも、技術の標準化問題やプライバシー侵害問題など、かなりデリケートな問題も積極的に採り上げて議論されていたが、実はこういった問題は、あまり注目を集めすぎると話が必要以上にややこしくなってしまいことが多々ある。

標準化問題にしたって結局はベンダー間の利害調整が一番難しいわけだし、プライバシー侵害問題もあまり議論が大きくなる過ぎるとエゴむき出しの人々が無意味に権利を主張し始め、大局的な議論ができなくなってしまう。実際、RFID技術を先駆的に実験導入している米Walmart、伊Benetton、独Metroなどは、既にプライバシー擁護団体から批判を受けているようだ(資料:123)。

もちろん言うまでもなく、議論がオープンになされることは極めて大切だ。しかし、ほとんどの企業が実装どころか実験すら始めていないこのRFID技術に対して、あまり先回りして大掛かりな議論をしないのもひとつの知恵ではないだろうか。

あるメーリングリストで池田信夫氏も指摘していたが、革新的技術は、ひっそりと始まり、多くの人が知らない間にデファクトになってからキラーアプリケーションが登場して爆発的に普及するものが少なくない。逆に、早くから注目を浴び過ぎるのは「負けパターン」だそうな。となると・・・。

というわけで、この世界情報通信サミットの妙な盛り上がりにイマイチ乗り切れなかった柿原でした。けど、今回はこのサミット参加がメインの目的ではなく、コンテンツ開発メーカーのXeNN(ゼン)の宮田社長など何人かの知人に会うための出張だったので無問題。さらには、大好きな天鳳のラーメンも久しぶりに食べに行けたので満足満足。

Posted by MK @ 01:49 PM
Category : Research



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