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September 20, 2005
『Web2.0時代の経営戦略論メモ(1)』
というわけで、前回エントリーの続き。ヒアリングの内容はできるだけ早く整理しておくのがフィールドワークの鉄則。うまくまとまらないかもしれないけど、それもまたご愛嬌。すべてはこのモヤモヤ感から始まるのさ(自己弁護)。長くなると思うので適当に分割してエントリーします。 ※内容に関して、間違いや疑問や批判などあれば、ぜひコメント/トラックバックください。ぜひウェブ上のフィードバックをもとにポリッシュしたいので。特に批判は大歓迎!!!
仕事柄、今回のように定期的に東京に行って、いろんなネット関連企業の方や専門家の方にヒアリングをするのだが、ネットビジネスの世界は本当に変化が速くて、ヒアリングをする度に自分の脳味噌の遅れ具合に愕然とする。ネットビジネスという領域を研究テーマにする限り、研究室に閉じこもっていては何も始まらないという当たり前のことをいつも再認識する。 今回のヒアリングを通じて強く感じたのは、ネットビジネスの世界が何かまた「動き始めた」ような感触だ。非常に感覚的なものなので根拠薄弱なのだが、やはりWeb2.0に代表される次世代インターネットの世界観を概観すれば、「ダイナミック」、「インタラクティブ」、「コンテクスト」、「サービスオリエンテッド」云々の言葉が、絵空事でなく実際のビジネスモデルに組み込んで考えることが可能となったことを感じる。 今回お話を聞かせてもらった佐藤匡彦氏@テクノラティの言葉を借りれば、Web2.0のイメージとは、 Web1.0の静的なWebであったり、Web1.5のサイトの独立性が高いダイナミックなWebとは異なり、サーバやコンテンツ同士がシームレスに連動され、インターネットが社会的なネットワークとして動作する 仕組みと言える。技術のことに興味がない大部分の一般ネットユーザーにしてみれば、「サーバやコンテンツ同士がシームレスに連動され」ることの意味など分からないし、分かる必要もないかもしれない。しかし、ネットを活用したビジネスモデルを設計・実践する者にとってみれば、このことが示す意味合いの大きさは理解せねばならない。 Web2.0以前(すなわちWeb1.0やWeb1.5)のネットビジネスでは、ブラウザに見える表面的な仕組みの裏側で、「データ形式の不一致」というとてつもないボトルネックがあった。様々な情報サービス運営者がそれぞれ独自のデータ形式でつくられたコンテンツを独自のネットワーク構造のなかで走らせていた時代では、そもそも「異なるデータ/システム/サービス同士を繋ぐ」という発想がなかった。乱暴に言えば、とにかく自社内で問題なく動けばOK。他のデータ/システム/サービスとの連携なんて、二の次」って感じ。そんな感じでエイヤッと作られてきた80年代・90年代前半の情報システムやサービスはなんとかそれでよかったけど、90年代後半以降、インターネットが爆発的な普及を遂げ、それに応じてネットワーク速度も劇的に速くなった今、繋がることを前提にしたネットワークベースのデータ/システム/サービス構造をはじめから考える必要が出てきた。 そのためにRSS/ATOM等のXML技術やWebサービスが考案されてきたわけだが、最近のAmazon Web Servicesの展開やGoogle Map APIの公開などに見られるように、前世紀から言われ続けているWebサービスの可能性が、いま一般コンシューマーレベルで実感できるようになった。 Webサービスは、もともとB2B(企業間)の情報シェアリングの効率性を高めるための技術だが、それがいまB2C(対一般コンシューマー)という分かりやすい領域で本格展開されることにより、単なるバックオフィスの効率性追求のツールではなく、広く顧客獲得・市場拡大戦略の手段として活用できるようになったところが面白い。これまで独立して構築・運用されてきた様々なネットサービスが、Webサービスという共通のプラットフォームの上で、効果的な相互補完・相互支援ができるようになったことで、一般ネットユーザーレベルでもその恩恵を実感できるようになった。 そうは言っても、Webサービスの展開が今後より一層広がっていったとしても、一般コンシューマーが感じることのできるサービスの革新性はそれほど高くないかもしれない。Amazon Web Service、Google Map API、と言っても、世の中の大半の人は「ハァ、何それ?」という感じだろう。ただ、これまで完全クローズドの内部資源だったデータを、外部の様々なプレーヤーが活用できるようなかたちにして公開することで、サービス提供者の裾野が一気に広がる。そこにはより良いサービスを提供しようとする企業間の競争空間(=市場)ができあがり、そのことで、結果的に一般コンシューマーは今よりも便利な選択肢をより多く手にすることができるようになる。 というわけで、このWeb2.0というネットの世界の「方向感」のなかで、僕が一番注目したいのが、こうしWebサービスの一般コンシューマー向けの拡大である。 ・・・『Web2.0時代の経営戦略論メモ(2)』につづく Posted by MK @ 01:18 PMCategory : Research |
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