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December 19, 2005
『[ET研] Googleの戦略分析』

気がついたら年末。ビックリするような寒さで、各地は大雪らしい。寒さが大の苦手の僕としては毎日朝がツライ。

先週の金曜日は、4年生ゼミの卒論発表会。その後、2・3・4年生合同でゼミ忘年会。3学年ぶち抜きでやるのは初めてなので、大人数でなかなか楽しかった。しかし、2・3年生は4年生のオヤジ/オバチャン乗りに着いてこれず、大多数が一次会で脱落。その後、二次会に流れるが、次の日の早朝発の出張が気になり、1:00am前にはお先に失礼させてもらった。次の日を気にするようになるなんて、自分も歳をとったもんだ。

次の日、2時間ほど寝てから日帰りの東京出張。研究関係で一件人に会いに行くのが目的なのだが、気持ち的なメインの目的は、随分ご無沙汰してしまっている「Emerging Technology 研究会」への参加だ。今回のテーマは「Googleの戦略分析」。やっぱりなんだかんだ言ってGoogleのこのところの動きは注目せざるを得ないので、ちょうど良いタイミングの頭の整理になると思って参加させてもらった。

以前に参加させてもらった時はもうちょっとこじんまりした感じだったが、今回はテーマの注目度が高いせいか、30人ぐらいとかなり規模が大きくなっていた。その分、論点が少し発散気味だったが、活発な議論が繰り広げられて、頭の刺激としては申し分なかった。

この日の冒頭に議論の出発点として紹介されたhiguchi.comの「ブログ、グーグル、アテンション [情報の“民主”化とメディア]」のスライド(PDF版)が面白かった。ダベンポートのアテンション・エコノミー(邦訳「アテンション」)の話は、2001年(だったかな?)のHICSSであった彼のキーノートスピーチで聞いて以来、僕も事あるたびに紹介してきた。

世の中に流通する情報がどれだけ増えようとも、それを人間がすべて認知・処理・理解できるわけがなく、結局は人間の認知処理能力の限界がボトルネックになるという話は、今をもって尚極めて重要な指摘だと思う。だからこそ、限りある人間の認知能力を有効に活用するための「ナビゲーション」が重要でそこが新たなビジネス領域になるというエバンス&ウースターの90年代後半の指摘の重要性も依然変わらない。もしかすると、ネットビジネスや情報経済の僕らの議論は、その時代から一向に進んでいないのかもしれない。

その情報氾濫時代のナビゲーションへのアプローチに関して、いわゆるGYM(Google・Yahoo!・Microsoft)各社の戦略は異なるのだろう。ベースとなる検索技術の圧倒的なスケーラビリティとサービス開発・導入のスピードで勝負するGoogleは、あの白くシンプルな検索ページに多くの人が「騙されている」(藤代氏の発言から)間に、急速にYahoo!的な方向へのサービス拡充を進めてきている。

こうしたGoogleの戦略展開に求められるのは、ユーザーベースを拡大し囲い込むようなマス・マーケティングなのか、これまで通りのInnovator/Early Adopter向けのギーク・マーケティングなのか、そもそもGoogleのブランド価値とはなんなのか、誰のため/何のためのブランディングなのか、みたいな点が頭でモヤモヤしつつ、多くの方の活発な発言で、寝不足の僕の脳味噌には十分過ぎる刺激になった。

いま、この研究会に参加した方のこの日のブログエントリーをパラパラ見させてもらった(つーか、皆さんあげるの早すぎ!!)。Masa33氏の当日の発言(だったと思う)とそれをまとめたエントリーにあった「自らがサービス提供して市場を創造し、API公開してアフィリエイト経由でマスへリーチする、というのがGoogle流」というのが、僕の研究的には一番ヒットした内容だった。競争優位なリソースをどのように戦略活用するのか、そこにオープン/クローズドの視点はどのように重なるのか、またさらに、戦略展開の時間軸・スピードの視点はどのように絡んでくるのか・・・。アイディアの種をまたたくさん頂いた研究会だった。

主催の渡辺さん、運営スタッフの方々、また参加された皆さん、ありがとうございました&お疲れさまでした。

Posted by MK @ 10:54 AM
Category : Research



コメント

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同じメディアとナビゲーションを考えるのなら、セブンイレブンあたりも是非加えてください。

米国P&Gではマス広告の代わりにウォルマートの店頭で”露出”させる方法が採られています。

Posted by: SW : December 19, 2005 11:57 AM

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先日はありがとうございました。

既にチェック済みかも知れませんが、Rayportらの「Service Interface」の概念がメディア横断のナビゲーションの考える上で便利かなぁと思っていま注目しています。

Rayport & Jaworski "Best Face Forward: Why Companies Must Improve Their Service Interfaces With Customers"

Posted by: kakihara : December 19, 2005 12:07 PM

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資料ありがとうございます。mOm

未チェックですが、大体触れている領域がどこかは推測つきます。マーケティングの視点で整理した方がすっきりしそうなところですね。

Posted by: SW : December 19, 2005 12:14 PM

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土曜日はお疲れさまでした。整理する意味も含めて質問ですが、Masa33 氏が整理している

> 「自らがサービス提供して市場を創造し、API公開してアフィリエイト経由でマスへリーチする、というのがGoogle流」

というのが事業戦略の領域であり、「マスにどうリーチするのか」がマーケティング領域の課題だという理解に立った場合、Google はプラットフォームプレイヤーと垂直統合型プレイヤーのジレンマに陥ってるような気がするのですが、どうですかね?

もしかして、上記の Service Interface の概念に、そのあたりを包含して解答があるのでしょうか?

#すいません、質問君で……

Posted by: ayustety : December 20, 2005 05:24 PM

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先日はお疲れさまでした。

>Google はプラットフォームプレイヤーと垂直統合型
>プレイヤーのジレンマに陥ってるような気がするのですが、
>どうですかね?

ここら辺は完全に推測の領域ですが、僕はGoogleは既に技術プラットフォームレベルの展開に留まろうとは考えていないように思います。そのレイヤーの競争優位には絶対の自信を持ちつつ、それを最大限に活用して具体的なアプリケーションレベルにおけるスピーディなサービス開発と戦略的タイミングでの導入に全神経を注いでいるような気がします。

ザ・サーチ」にも書かれていたように、何百もの先端的サービスの開発プロジェクトを抱える彼らの最大の戦略ファクターは、それらを「いつ市場(ユーザー)に出すか」という点だと思っています。そうなると、それはジレンマというより、単なる意思決定の問題であるとも言えるかと思います。

こういった点について、SWさんなどは違う見解なのかもしれませんが(笑)。ちなみに、Service Interfaceの概念は、これらの点の整理にはあまり役には立ちません。顧客接点をいかにシステム化しマネジメントするかというのがこの概念のポイントです。

先日はゆっくりお話できませんでしたが、ぜひ次回ゆっくりと。

Posted by: kakihara : December 20, 2005 09:40 PM

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を、違う見解楽しみ。是非どこかでやりとりしましょう。

まず、話として基本はプラットフォームプレイヤーですが、「僕はGoogleは既に技術プラットフォームレベルの展開に留まろうとは考えていないように思います」には同意します。商流の問題もあり、AOLに手を出しているのが簡単な証左ですね。

で、「そのレイヤーの競争優位には絶対の自信を持ちつつ、それを最大限に活用して具体的なアプリケーションレベルにおけるスピーディなサービス開発と戦略的タイミングでの導入に全神経を注いでいるような気がします。」これも概ね賛同。

しかし、絶対優位ではないですね。確実になるように布石を打っており、まだオプション行使はしていないという状態に見えます。

で、論点はここですかね。「顧客接点をいかにシステム化しマネジメントするかというのがこの概念のポイントです」。これは、前提とフレームを互いに確認しないとすれ違いそうなので、どこか改めてを希望します。

おそらく、「マーケティング」という言葉に含めた意味の確認がスタートかと。私の場合、場面にもよりますが「マーケティング」には接点の設計及びマネジメントと応用領域に近いR&Dとプロセス進化もちょこっと含めたイメージで考えてます。幾つか近いイメージの本があったのですが、良いの忘れました。意外とグロービスの「MBAマーケティング」の冒頭とかが近いかも。

Posted by: SW : December 21, 2005 09:20 AM

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追伸:
「単なる意思決定の問題」これは同意です。そういう意味では彼らには戦略は無い、タイミングと条件だけが存在する、そう思ってます。

無理やりいうならリアルオプションの塊みたいな戦略モデルでしょうか。

Posted by: SW : December 21, 2005 09:23 AM

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>しかし、絶対優位ではないですね。確実になるように
>布石を打っており、まだオプション行使はしていない
>という状態に見えます。

>無理やりいうならリアルオプションの塊みたいな戦略
>モデルでしょうか。

う~ん、まったく同感です。僕もそのイメージです。
はたしてこの水準で戦略設計・実践できるネット企業が
他にあるのかないのか・・・。

マーケティングの捉え方については、ぜひ今度ゆっくり
議論させてください。あ~、大阪⇔東京の物理距離が
悩ましい!!! ユビキタスとかなんとか言っても、やっぱり
僕らは距離を超えられないんですよね(笑)。

Posted by: kakihara : December 22, 2005 12:55 AM


 
     

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