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November 28, 2004
『怒涛の1週間+α』

いや~、久々に体力の限界を感じた1週間あまりだった。11/19から昨日11/27まで、予定ギッチリ、東へ西へ、本当に忙しかった。いろんなことがあったので、やはりここに書き記しておきたい。長いので、見たい人だけ「続き」をご覧アレ。

●11/19(金)

朝1限から講義をこなし、授業終了後すぐさま大阪中ノ島の大阪大学の研究施設に行って、スタンフォード日本センター主催の「スタンフォードラウンドテーブル」に参加してきた。スタンフォード大学がMITのMedia Labに対抗して立ち上げたメディア研究の学内ネットワーク「Media X」のExecutive DirectorであるProf. Keith DevlinがMedia Xの概要を説明してくれた。Media Xには前から注目しており、実際には来年視察にでも行こうかと思っていたので、今回ちょうど良かった。また、Prof. Devlinと一緒に来ていたDr. Jeremy Bailensonのプレゼンテーションもとっても面白かった。恐らく彼は僕と同年代だろうが、アメリカのトップスクールの勢いのある若手研究者の勢いのある研究を見て、とっても刺激を受けた。

2人の発表のあとの懇親会は途中で抜けて、また西宮の学校に急いで戻り、来年からの新ゼミ生のプレゼミ(事前研修)をして、その後新ゼミ生たちとのコンパ。2次会まで行って、帰りはもちろん日付が変わってから(笑)。

●11/20(土)

お昼過ぎに飛行機に乗って、東京入り。ただ、搭乗するはずだった機体が、出発直前にエンジンのなかに鳥が入ったらしく、別の機体に乗り換えることになり、出発が遅れるトラブル発生。けど、実際の出発の遅れは30分程度で、逆に対応のスピードの早さに驚いたくらい。やるな、ANA。

夜には、古い仕事仲間のS氏との会食。懐かしくいろいろ意見交換できた。その後、日付が変わろうとしているころに、高校からの親友で公認会計士を経て現在ベンチャー会社社長のO氏と深夜ミーティング。いつものように朝までコース。

●11/21(日)

お昼ぐらいまで寝て、夕方からこちらも旧友のI氏、Y氏、M氏と久しぶりに会食。みんなそれぞれのフィールドで頑張ってる。この場で、イギリス大使館に勤務するY氏から次の日にオフィスに訪問するアポを取る(後述)。

●11/22(月)

今回の東京出張のなかばメインの目的は、この日と次の日に渡って行う、僕のゼミ生(3年生)の東京見学の引率である。意外に関西には一度も東京に行ったことが無い学生がいるもんで、僕のゼミ生にも少なくない数がいた。この学年(3年生)はそろそろ就職活動がスタートするので、ちょうどタイミング的にもいくつか企業見学も兼ねて東京でも行ってみる?と聞くとゼミ生も大乗りで今回実現した。

初日に訪れたのは3社。1社目は、ケータイコンテンツ会社のサイバード。ここの社長の堀氏は関学OBでもあるが、仕事とは関係ない理由で世の中的には有名な方だが、今回堀氏には会えなかった。けど、六本木ヒルズにあるオフィスを見学させてもらい、学生だけでなく僕もオフィスからの絶景に大感激。

2社目は、凸版印刷以前にお会いした岡戸部長にご紹介頂いて、新して大きな小石川ビルで凸版印刷のEビジネス事業全般について説明を受けた。凸版印刷は、近年Eビジネス事業の収益が拡大しており、特に最近はICカード事業に力を入れていて、なかなか面白いお話を聞かせてもらうことができた。

3社目は、ITベンチャー企業のニューズ・ツー・ユー。以前にひょんなきっかけでお目にかかった神原弥奈子社長にお願いして、事業内容の説明とオフィス見学をさせてもらった。関西の学生にしてみれば、ITベンチャー企業に接する機会というものはほぼ皆無なので、良い経験になったのではないかと思う。ただ、神原社長は残念ながら出張のためお目にかかれなかったので、後日お礼に上がることに。

ここまでが正規のスケジュールだったわけだが、オプションツアーということで、ゼミ生のなかから希望者を募って、その後すぐそばのイギリス大使館におじゃましてきた。これが上記した前日のY氏との食事の際に突然Y氏からお誘いをうけて実現したもの。関西からのオノボリさんたちにY氏が気を利かせて手配してくれた。感謝感謝。イギリス大使館内の普段見れないようなところまで見学させてもらえて、学生達も(私も)大満足だった。

そして夜は、東京で働く僕の大学時代のクラブの先輩・後輩の関学OBを呼んで、銀座で学生たちとの食事会&就職相談会を開いた。参加してくれた5名のOBは、これから就職活動がまさに始まろうとしているゼミ生たちに、OBとして就職活動のコツや社会人としての心構えなどを偉そうに(笑)に教えてくれていた。忙しいなか来てくれてありがたい限りである。こうして、長い初日が終わった。

●11/23(火)

2日目は、企業訪問ではなく、お台場にいって、一般施設の見学をした。最初に訪れたのは、有明にある最近全面改装オープンしたばかりの松下電器グループのショールーム「パナソニックセンター東京」。思っていたよりも小さな施設だったが、最新機器やプロトタイプが置いてあり、「ユビキタスネットワーク社会」とやらの雰囲気のかけらぐらいは感じることができた。

それから台場に移って、ランチを取り、我ながらミーハーだなと思いつつ、学生とフジテレビ本社ビルに行ってきた。もっと一般公開しているもんだと思ってたのだが、意外に見所が少なくてガッカリ。球状の展望台にも行かなかった。

そして、最後は、ソニーがやっているメディアージュという複合施設に行ってきた。特に、このなかにあるソニーのショールーム「Sony Style」を中心に見学。ちょうど、ソニーも出資している音楽コンテンツダウンロード・再生サービス規格の「エニーミュージック」のプローモーションが行われており、エニーミュージックの担当者の方も来ていたので、いろいろお話聞けて、意外な収穫があった。

これで、学生たちとの東京見学の予定はすべて終了。夕方には解散となった。いやいや、学生を自分が引率して東京を連れて回るなんて、夢にも思ってなかったが、結構楽しかった。けど、それ以上に大変だったけど(笑)。

その後、疲れた体を引きずり、慶應ビジネススクールの大藪毅氏と久々に会って、表参道でお食事。大藪氏は相変わらずの博識で愉快なトークで、疲れも忘れていろいろお話することができた。帰宅はやはり0時過ぎ。

●11/24(水)

この日も予定はギッチリ。まずは、僕がサラリーマン時代に大変お世話になった本田技研工業の渡辺春樹氏に会った。渡辺氏は、1996年から現在まで一貫してHondaの公式ウェブサイトの企画・運営の責任者の任にあり、企業ウェブマーケティングの世界では、かなり有名な方。僕は、前職のコンサルティング会社勤務時代に、渡辺氏とのお仕事ではじめてウェブの世界に触れ、僕がネットビジネスに興味を持つきっかけを与えてくれたいわば大恩人ともいえる人である。相変わらずの軽快かつ毒舌(笑)トークもますます冴えて、最新の企業ウェブマーケティングについて、色々教えてもらった。大収穫。

そしてその後、最近博報堂から電通に移られた高広伯彦氏と打ち合わせ。高広氏には、12/3(金)に僕が担当している講義「情報ネットワーク論」にゲストスピーカーとして来て頂く予定で、その内容のツメをさせてもらった。電通の汐留本社ビルには初めて行ったのだが、ビルの入退管理システムがRFID式のカードで、いまはこれが最新オフィスビルのデフォルトなんだなぁと確認。

夜は六本木に向かい、僕の前の職場の人たちと久しぶりに会食。懐かしい面々と、いろんな話ができた。やっぱり僕にとっては、ここが初めての職場だったし、本当にお世話になった人ばかりなので、懐かしさと感謝の思いで、六本木にはいつまでたっても自然と足が向く。

●11/25(木)

朝一で、月曜日に学生のオフィス見学でお世話になったニューズ・ツー・ユーの神原社長にお礼のご挨拶。実は、はじめてお会いしたときにはほんの少ししか時間がなくて、ゆっくりお話するのは今回がはじめて。にもかかわらず、今回は学生のオフィス訪問も快諾して頂き、ほんと感謝感謝である。ネットベンチャーの世界では珍しい10年以上のキャリアをお持ちの方で、各方面から取材を受けるなど著名な方なのだが、偉ぶらない本当に爽やか&ステキな方で、僕に限らず隠れファンは多数いるはず。今後ともいろいろお世話になりそう。

お昼前に新幹線に飛び乗り、関西へ戻る。車中でいくつかの書類に目を通しておこうとおもいつつ、いつの間にか爆睡。気が付いたらもう京都だった。その後、研究室に戻り、たまっている業務の処理。そのなかで、ここまでの過密スケジュールのなかで、ド忘れしていた仕事があることが判明。マズイ。処理に追われる。

なんとか問題の処理がすむと、今度は担当講義「情報ネットワーク論」のレポートの採点。この講義、今回がはじめての担当なので、手探りの部分が多くいろいろ実験をしながら進めている。そのなかで、受講生に何かしらのテーマに基づいてレポートを毎週提出させるようにしたのだが、当初の予想受講生数が100名程度だったが、フタを開けてみると200名オーバーの学生が履修したため、毎週200本を超えるレポートを読むはめに(泣)。この日も結局、レポート読みと評価付け作業が明け方まで続いた。

●11/26(金)

金曜日はふたたび朝1限から「情報ネットワーク論」の講義。今回は、読売テレビ脇浜紀子氏にゲストスピーカーとして来て頂いた。脇浜氏は、いわゆる「女子アナ」なわけだが、アメリカの大学院に留学経験もあり、テレビ局の現場からメディア産業のデジタル化について活発な提言・発言をされている方で、今回も具体的な事例をいくつもあげながら、とても興味深い講演をして頂いた。午後には、僕のゼミにも来てもらい、ゼミ生とも気さくに接してくれて、とても有意義な意見交換をさせてもらった。ありがとうございました。

前日もほとんど寝ておらず、この怒涛の1週間の疲れがピークに達しており、夕方ごろには朦朧としてきた。夕方に、2件ほど学生との打ち合わせがあったのだが、あまりに疲れていてちゃんとした受け答えができていなかったかもしれない。お許し下さい。夜は、突然相談にきた学生とともに焼肉屋で食事。その後家に戻り、疲れた体を引きずりながらなんとかお風呂に入って、0時ごろ倒れこむように就寝。

●11/27(土)

しかし、大学はまだ僕をゆっくりと休ませてはくれない。朝一から大学の学内業務があるため、7時半起き。疲れであたまがシャキッとしていないまま、仕事をする。学内業務は午前には終わり、午後から僕も去年から参加している大学の「宝塚都市再生プロジェクト」のミーティングがあったのだが、ゴメンナサイをして欠席させてもらった。それでも、1週間の出張のために日々の雑務がまだまだたくさん残っていて、研究室に残って処理をする。もうこの時点で、自分が何をやっているのか分からず、意識が遠くなってきたので、これはヤバイと思い、夜になる前に早めに帰宅。その後は記憶もなく、泥のように倒れこんで寝た。

●11/28(日):本日

気が付いて起きたら、すでに午後だった。しかも、前日お風呂に入らないまま、寝てしまったようで、さらには服装もほぼ前日家に着いたままの状態。なんだか学生みたいな生活だなぁと自己嫌悪に陥りそうだったが、気を持ち直してふとんを出る。ネットに繋いで、メール確認してみたら、このBlogにコメントスパムが40通ぐらい入っていて、再び鬱になる。こうなったら、この1週間あまりの出来事をぜんぶBlogに上げてやる!!と意気込み、書き込んでいる自分がいまここにいる。今、ここに書いてきた文章の長さを見て、なんだか虚しい気分になったので、ここらへんで止めておく。

皆さん、お疲れさまでした。

Posted by MK @ 02:43 PM
Category : Miscellaneous
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November 02, 2004
『音楽業界とP2Pファイル交換の新たな関係へ?』

新学期が始まり、早くも一月が経ち、このBlogも1ヶ月近くも更新されないまま・・・。というのはやはり良くないので、久しぶりに時事ネタでも。

ソニーBMG、ファイル交換ソフト会社と提携検討」(Asahi.com)
ソニーBMG、P2PのGroksterと合弁で音楽サービス」(ITmedia)

いや~、とうとう来ました。いつか来るとは思っていましたが、思ってたよりは早かった。これまで強烈な敵対関係にあった音楽業界とP2Pファイル交換会社が、新たな関係構築への小さく、そして大きな一歩を踏み出したように思う。

音楽業界には新たなビジネスモデルが必要だ、なんて言われるようになってからもう随分経つけど、いまだに解決の糸口さえ見つかっていない。著作権侵害を助長させたとして音楽業界から訴えられていたP2P関連企業だが、ひとまず「技術は中立」という判決が出て落ち着きを見せ始めている。しかし、そのことで問題が解決されたとは到底言えない。

これまで音楽業界は、音楽という「情報」をレコードやCDといった「物財に帰着」させることで、収益を上げる仕組みを築いてきた。しかし、ネット環境の急速な発展とP2Pファイル交換技術の普及で、その「情報」と「物財」のつながりは解けてしまい、当然その結果これまでの収益モデルも崩れようとしている。

しかし、僕らは既にP2Pという「パンドラの箱」を開けてしまった。もちろん、このP2P技術そのものは、使い方次第で薬にも毒にもなる「中立」的なものである。しかし、これまでの「物財帰着」型の情報ビジネスは、その前提条件を変えられてしまったことは明らかであり、いまさらこの流れを戻すこともできない。

というわけで、音楽業界の話に戻すと、話はハナっから「いかにP2Pとうまく付き合っていくか」ということで進む方向は見えている。しかし、そうしたムードに音楽業界が変わるまでもう少し時間が必要だと思っていたところ、冒頭のニュースなのでちょっとしたオドロキだった。けど、依然「どうやって?」の部分は不明瞭だ。

 新事業は「Mashboxxx」と呼ばれ、詳細はまだ固まっていないが、Sony BMGが保有する楽曲のプロモーション版を無料でダウンロードできるほか、有料でライセンス版を購入できる形になると、この合弁事業に詳しい筋が匿名を条件にAssociated Pressに語った。 (中略)  このほか複数の業界筋が、Sony BMGとGroksterが著作権付き音楽ファイルを無許可で交換する行為――音楽業界はこうした行為が売上の足を引っ張っていると主張している――を伴わない新しい事業モデルを模索していると認めている。(上掲ITmedia記事)

言ってしまえば、これもありきたりの話で、中身は別段新しくもなんともない。P2P経由の流通はプロモーション目的、収益はDRM技術付きのデータで確保するという感じ。2002年、アメリカではCDの総販売数の2.6倍の曲がP2Pで無料ダウンロードされたのに、CD売上は「たった」6.7%しか落ちていない(レッシグ「Free Culture」から、類似情報)という話もあって、P2P経由の流通にはかなりのプロモーション効果があるとも言える。けど、その効果はまだまだ未知数だ。

それに、ライセンス付きの音楽コンテンツの有料販売に関しても、いまのようなフォーマットやDRM技術の乱立状態では、これまでの収益モデルに取ってかわるようなモデルに発展しない可能性もまだまだある。DRM技術規格の統一化への動きも出てきているが、ここがクリアされないと音楽業界の足並みが揃うことはないだろう。

いまの音楽配信ビジネスは、大成功しているAppleのITunes Music Storeでさえ、コンテンツ販売では収益は出ず、再生プレーヤーのiPodのハードの収益で支えるという微妙なビジネスモデルのうえに成り立っている。当然ながらこのモデルはAppleにしかやれないわけで、音楽業界全体がこのモデルで救われるわけもない。

結局、P2Pという新しい「技術」によって生まれた問題は、DRMという「技術」で解決するしかないという現代社会のお決まりのループたが、その新しい「技術」もまた新しい問題を生むわけで、なんとも鬱な気分になる。けど、それしか方法が無いことも僕らは暗黙的に知っている。

とにかく、今回のこのニュースは、このような状態からちょっとばかし前進したような気にさせてくれるニュースであることは確かだ。行き先に何があるのかは、依然分からない(恐らく誰にも)。けど、僕らはそうやって一歩一歩進んでいくほかない。

Posted by MK @ 05:23 PM
Category : E-biz news
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