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September 20, 2005
『Web2.0時代の経営戦略論メモ(4)』

◆サービス・オリエンテッドの「セミ・オープン戦略」

僕のネットビジネスにおける関心は、目を見張るような先進技術で市場に殴り込みをかけるようなビジネスモデルにはなく、適度に「枯れた技術」をうまくサービス化しているサービス・オリエンテッドなビジネスモデルだ。Google Mapはその圧倒的なユーザビリティにおいて目を見張る技術だが(しかし、Google Mapも技術的にはJavaScriptという「枯れた技術」で作られているらしい)、僕が注目するのはその技術をAPIというかたちで一般のユーザーやサードパーティーが自由に活用できるインターフェースを公開したことだ。Amazon Web Serviceも然り。あの膨大な書籍DBを外部から活用できるようにしたことで、様々な書籍サービスが生まれ(例えば、はてなの伊藤CTOがつくった amazletなどはその最たる例)、結果的にAmazonはさらに書籍購入トランザクションを増やすことができる。

こうした一連のWebサービスの展開を見ていると、内部資源の単純なブラックボックス化だけがネット企業が採り得る戦略でないことを強く感じる。付加価値の高い希少な資源を内部活用するだけでなく、外部活用できるインターフェースを用意し、他のプレーヤーが利用できるサービスとして提供する。そのことが、結果的に自社の収益構造にプラスの効果をもたらす。その資源の構築に関しても、内部で秘密裏に研究開発し完成してから一気に市場導入をするという従来型の製品/サービス開発ではなく、製品/サービスそのものをユーザーと共に開発していき、そのプロセスも公開して進める。

言うなれば、ネットビジネスならではの「セミ・オープン戦略」とでもいえる戦略ではないだろうか(もしくは「セミ・クローズド戦略」でも良いが)。内部資源やビジネスプロセスが外部に対してオープンにはなっているが、完全にはオープンにはなっていない状態。コア資源はクローズドだが、ビジネスユニットのインターフェースや展開プロセスはオープンで、多様な外部プレーヤーと緩やかに疎結合している。このセミ・オープン戦略が、変化の早いネットビジネスの競争環境のなか、世の中に散在する外部資源(Web2.0風に言えば「Wisdom of crowds」)を素早く柔軟に活用し、それが「結果として」競争力の形成に繋がっている。

既に強固な経営資源を保持している企業は別だが、これから新規にネットビジネス市場に参入しようとする企業は、何かしらのレバレッジ(梃子)を効かせないと変化の速い競争環境のなかでは生き残れない。小さいスケールから始めるからこそ、内部にはない外部の資源を有効活用する仕組みが重要となる。外部に対してセミ・オープンのスタンスを取ることで、最低限の収益を確保すると同時に、成長のスピードを一気に上げる。

さらに、技術ベースで競争するのではなく、サービス領域での革新性を追及する。技術ベースの競争優位性に比べ、サービスベースの競争優位性は模倣されやすいかもしれない。しかし、既存市場で勝負するのではなく、まだ誰にも荒らされていない「ブルーオーシャン」領域を自ら創造することで、またここで外部資源を最大限に活用したシンプルな戦略を実践することにより、ネットワーク外部性をもとにした競争優位を素早く築く。こんな感じのネット特有の戦略論がありえるのではないかと感じている。

ここでの事例はやはりWebサービス、特に自社資源を外部プレーヤーの活用に繋げるAPIの公開戦略である。API公開戦略で注目を浴びているのは、やはりAmazon Web Services(AWS)やGoogle Map APIの事例だが、このことの経営戦略的意義はあまり語られてはいない。いろいろググッてみたが、目ぼしいものは見つからなかった。

一番まとまっていたのは、またまた伊藤氏@はてなCTOのこのエントリーだ。内容は、AWSの経営的意義をさらっと整理して、はてながWebサービスを積極的を活用する理由が書いてある。ポイントは、エンドユーザーに対するサービス提供と、デベロッパーに対するサービス提供、この相乗効果(このエントリーの図が分かりやすい)が、顧客ベースを急速に増やし、サービスの収益化とメディア価値の向上に繋がることだろう。

ここで伊藤氏も書いているように、APIの公開によりオープンになるのは、自社の「コア資源」ではなく、「コア機能」である。機能を公開することで、その機能を世の中の多数のユーザー(一般ユーザー+サードパーティー)に活用してもらう。しかし、その機能を支える資源(自社顧客のデータやトランザクション履歴など)は外部から完全に自由に使えるわけではない。この「資源面でクローズド、機能面でオープン」このセミ・オープン戦略が、AmazonやGoogleのような既に確固たる市場地位を獲得している巨人だけでなく、はてなのようなスタートアップ企業にとってのハイスピード成長戦略として有効である可能性を示唆している。

従来の経営戦略論は、時間軸の設定が恐ろしく緩慢で、尚且つ、競争領域の設定が極めて固定化されている。既に存在している市場のなかで、多数の競合に対して、どのような対抗戦略を実践するのか。こんな従来の戦略論フレームワークはネットビジネスにはそぐわない。

まだ市場化されていないサービス領域(クリステンセン風に言えば「サービスの非消費領域)を素早く認識し、小さな組織で外部リソースを柔軟に活用し、外部に対してセミ・オープンの姿勢を採ることで、素早く強固な顧客ベースを作り、参入障壁を構築する。こういったスピード感溢れる戦略論のフレームワークをいま頭の中で必死に整理しているところである。

++++++++++

というわけで、極めてダラダラといまアタマのなかにある「モヤモヤ」を書いてみた。いま軽く読み返したが、あまりにまとまりが無さ過ぎて冷や汗が出てきたが、僕自身も研究者として、こうしたアイディアの萌芽は可能なかぎりオープンにして、議論を固めていくWeb2.0的なアプローチを採ってみるのも面白いかもしれないと思って、このブログに書いてみた。これが研究者としていかに危険なことも良く分かっているのだが・・・。

このシリーズの冒頭に書いたように、ご意見・ご批判などぜひコメント/フィードバック頂ければありがたい。「お前の書いてることなんて、周回遅れだぜ」という指摘も甘んじて受けます・・・。よろしくお願いします。

Posted by MK @ 07:40 PM
Category : Research
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『Web2.0時代の経営戦略論メモ(3)』

◆ネット特有の戦略論の可能性

経営戦略論には、ポーターに代表される「ポジショニング・ベース」の戦略論の流れと、バーニーに代表される「リソース・ベース」の戦略論の流れがあると言われており、この両者のあいだで近年論争が繰り広げられてきている(僕個人的には論争する理由はないと思うが)。端的に言えば、前者は企業組織の外部環境の条件や変化に着目し、後者は企業組織の内部にある競争優位の源泉となる資源に着目する。

しかし、日本のビジネスパーソンだけでなく経営学者の間でさえあまり人気のないもう一つの戦略論の流れがある。それは、アイゼンハートが提唱する「シンプル・ルール戦略」である。内容の詳細は当該論文に譲るが、「市場環境が複雑な時の戦略はシンプルがよい」というメッセージにすべてが集約されている(エッセンスはここがまとめてくれている)。この「シンプル・ルール戦略」に注目する理由は、いまいくつかのネットビジネス企業にヒアリングに行って、彼らが実践しているのがまさにこの戦略アプローチのような気がしたからだ。

先日のお話を伺った田中氏@GREEは、「戦略の視座を長くとるか短くとるかに関係なく、変化にいかに素早く柔軟に対応できるかが大切」というようなことを言われた。これは田中氏に長期の展望が無いというのではまったくなく、日々のビジネスオペレーションにおいて、長期の展望からの逆算で現在の意思決定をするよりも、日々目くるめく押し寄せる環境変化に対して、迅速且つ柔軟に対応するマインドセットと方法論が大切ということではないかと僕は勝手に解釈している。他にも何人かのネットビジネスに従事される方からも似たような返答を得た。

この「シンプル・ルール戦略」に基づくスピード感溢れる意思決定は、やもすれば短期収益至上主義に陥る危険性もある。また、「ビジョン(ミッション)→戦略→戦術」という従来型のトップダウンの戦略モデルに慣れ親しんだ人には、あまりにシンプルすぎて逆に落ち着かないところもあるだろう。しかし、1年先どころか半年先も読めないネットビジネスの世界の環境変化の速さに対応するには、複雑な戦略モデルは逆に意思決定を遅らせかねない。田中氏が言っていた「インターネット的」な経営や戦略とは、こういった経営における時間軸認識の大幅な短縮化が極めて大きな要素として考えられる。

ソフトウェア開発やサービス開発も、「インターネット的」なアプローチが求められるのだろう。開発プロセスにおいて、ネットを通じたフィードバックを積極的に受け入れていくことで、オープンソース的な開発とプロプリエタリな開発をうまく混ぜたハイブリッドな開発アプローチも可能になった。なかでも、はてなアイディアの予測市場のやり方で自社サービスに対する要望を吸い上げる仕組みは極めて興味深い。

根来龍之氏@早稲田大は、「ネット特有の戦略論は存在しない」と喝破する。しかし、はたしてそうだろうか。もちろん、ITの普及により、インフレ無き持続的成長が実現されたなどというノー天気なニューエコノミー論的な戦略論はありえない。それに、根来氏が指摘するように、「リソース・ベース」の戦略論の視点でネット企業を分析すれば、非ネット企業と同じように、バーニーが言う「VRIO」をしっかり満たして競争優位を獲得している。

ただ問題は、そうした競争優位を生み出す資源の「形成プロセス」は、ネットの世界と非ネットの世界ではまったく異なるのではないか。半年先も読めないネットビジネス市場において、「まず模倣困難な資源をつくってから、それを動かすビジネスモデルを考える」というステップを悠長に踏んでいる余裕はない。これからネットの世界に参入して生き抜いていこうとする企業にとって、「リソース・ベース」の戦略論など、成功企業の後付の分析でしかない。「そんな差別性の高い資源がはじめからあれば誰も苦労しない」というのが本音ではないか。また、市場の「ポジション」といっても、ビジネスドメインの領域設定そのものが短期間に大きく変化する環境のなかで、既存の競合、供給者、需要者などの外部プレーヤーとの関係も極めて流動的である。

ここでもやはりGoogleは例外だろう。圧倒的な技術開発力を持ち、自らの力で極めて差別性の高い技術リソースを構築しながら、それを同時並行的に素早くビジネスモデル化し市場導入させる速い意思決定をできる企業になっている。ただ、当たり前だが、皆がGoogleになれるわけでもないし、なる必要もない。ネットビジネスの勝者が、Googleのような高い技術力を持つものだけになってしまったら、それは僕個人的には極めて退屈な市場に思える。そんな市場への新規参入は徐々に減り、長期的には市場は活力を失うに違いない。

怒涛の変化が日々押し寄せるWeb2.0時代のネットビジネスにおいて、圧倒的なスケールメリットや技術力でこの荒波を乗り切れるのは極一部のネット企業だけで、その企業リストはすでにほぼ固まっていると言えよう。「ポジション・ベース」の戦略論や「リソース・ベース」の戦略論を頼りにすれば、まだまだ立ち上がったばかりのネット企業やこれから参入しようと考えているプレーヤーにとっては、「あんたらに勝ち目は無いよ」と言われているに等しい。

いや、そうではないはずだ。歴史上いつの時代も新規参入が市場を活性化させ、市場を「破壊的」に変化させてきたのだ。そうした新規参入のビジネスチャンスが、クリステンセンの言う「ローエンドの破壊」か「新たなマーケットの破壊」のいずれに起こるかは、それこそ戦略次第だ。環境変化が緩慢な時代の戦略論をベースにしつも、Web2.0時代の経営戦略の枠組みを考えることは、いままさに焦眉の急であろう。その際のキーワードは、間違いなく「スピード」、「柔軟性」、「ネットワークを活かしたレバレッジ」だろう。そしてそのカギは「サービス・オリエンテッド」と「セミ・オープン(もしくはセミ・クローズド)」の戦略実践にあると僕はいま考えている。

・・・『Web2.0時代の経営戦略論メモ(4)』につづく

Posted by MK @ 06:11 PM
Category : Research
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『Web2.0時代の経営戦略論メモ(2)』

◆ネット広告市場の拡大と古典的ブランディングの無力化

こうしてWeb2.0の世界観が、RSS/ATOMのようなXML技術をもとにブログなどで実感できるようになったり、Amazon Web ServicesやGoogle Map APIの公開などのWebサービスの一般コンシューマー向け展開により、一気に生活実感を伴ってきた。Web2.0の世界観というのは、テクノロジーギークの人たちにしてみれば、既に実現しているお話なのかもしれないが、これが世の中の多くの一般生活者が具体的なサービスとして便益を実感できるかどうかが重要なことなのだ。

あとはこの競争空間に参入してくるプレーヤーが増えれば、この市場はますます活性化する。しかし、ネットビジネス企業の安定的収益確保の苦労はまだまだ大きいものがある。ネットビジネスのスタートアップ企業は、例外なく初期の収益基盤の構築に一番苦労する。

ただ、近年のネット広告市場の膨らみと、それを支える様々なネット広告ツール/サービスの普及は、これからネットビジネスに参入しようとするプレーヤーにとっては朗報だろう。萩原氏@ネットレイティングスやタカヒロ氏@電通とのお話のなかで、ネット広告市場の広がりと可能性についていろいろお話伺ったが、コンテンツやサービスそのものに対する課金がまだまだ難しいなか、今後しばらくは広告収入がネットビジネス企業の収益の根幹を支えていくのは間違いない。

広告収益依存型のビジネスモデルは、得てして旧来型のマスメディア型ビジネスを想像してしまうが、Web2.0時代のネットビジネスにおける広告とは、単に情報の受け皿(ビークル)の情報量とその吸引力の追求ではなく、より一層分散化される情報のトラフィックのなかで、いかに細かくしかし効果的にユーザーに対して情報の露出と浸透をなし得ていくかがカギとなる。

もちろん、Yahoo!のような巨大ポータル型の広告モデルやブランディングは市場規模的には当面主流を形成するだろうが、これも近年よく語られるようになった「ロングテール」の議論に見られるように、市場取引の上位集中の度合いは、ネットビジネスに限って言えば、今後も徐々に下がってくると思われる。それも、グローバルに分散化された情報に対するアクセスする技術とフィルタリングの技術がここ数年で一気に進んだからだ。

古典的な広告やブランディングのアプローチは、そもそも生活者の情報処理能力が低いことを前提に、マスメディアを使って定型化された情報の幅広い露出と継続的な刷り込みを追及してきたが、分散化された情報への効果的アクセスとサービス間のシームレスな連携が実現されるWeb2.0の世界では、そうした人間の情報処理能力のボトルネックから解き放たれた新たなブランディングが実現される可能性が垣間見られる。いや、もしかしたら、Web2.0の世界では、「人の心に対する認知的刻印」という意味におけるブランド概念そのものが通用しないのかもしれない。

そもそもブランドというのは経営の実践の「結果」のようなもので、ブランド構築が目的化してしまっている経営戦略というのは、ネットビジネスにはそぐわないような気がしている。変化の緩やかな市場において既に何かしらのブランド資産といえるものを保有している企業に関しては、その資産の効果的活用を考える必要もあるのだろうが、常に環境変化し続け、新規参入の脅威が大きいネットビジネスの領域において、ブランド資産を溜め込んでいくことを目的にすると、どうしても戦略視座がロングスパンになってしまい、目の前の競争で負けてしまいかねない。

Web1.0/1.5時代の競争環境では、古典的なブランドオリエンテッドなマーケティングや戦略実践が功を奏した面も多々ある。ただ、Yahoo!、Google、Microsoft、eBayなどの強力なブランド力を持つ巨大ネット企業は例外でしかなく、それ以外のネットビジネス企業(特に新規参入を狙う企業)にとって、ブランドオリエンテッドな戦略実践はかえってリスキーではないかという仮説を僕は持っている。

ブランド戦略とは、消費者の情報アクセスや処理能力のボトルネックが大きい状況において、購買意思決定のコストを軽減するために、他者の評価の累積効果としてのブランドに頼るという構造があり、結果としてブランドの自己強化サイクルが出来上がることを前提にしている。「人が良いと言っているんだから良いものに違いない」というわけだ。そして強いブランドはますます強くなる。

しかし、Web2.0の世界では、一般生活者の情報アクセス能力・処理能力が上がり、これまで光の当たらなかったニッチなコンテンツやサービスにも、それが有用だと分かれば自然に手が伸びるようになる。そこには、ユーザー自身による編集(Web2.0風に言えばRemix)によるさらなるサービスの多様性の拡大もある。ブランドという魅惑の幻想に人が群がるのではなく、あるとすれば、ユーザー間のネットワーク効果をベースにした具体的な利便性と編集可能性に人は群がるようになる。そして、そこに人が群がれば、メディアとしての価値が生まれ、広告で収益が出せるようになる。

広告収入に収益基盤を依存しているネットビジネスモデルは、どこか脆弱な印象を与えるところもあるが、僕はネットビジネスはもっと広告に依存しても良いと思っている。メディア全体の広告量を考えれば、まだまだネット広告市場は小さいが(2004年の国内総広告費6兆円弱のうちネット広告は2000億円弱で3.1%(電通調べ))、それでも前年比50%増で急速に拡大している。ネット広告市場が5000億円レベルになれば、サービス提供しながら広告収入でスタートアップ後数年はきちっと食べていけるネット企業がもっともっと出てくるに違いない。そうすれば、その間に他の収益基盤を構築する余裕も生まれ、安定成長・拡大のステージへ進めるネット企業も増えてくるだろう。

しかし、そのような企業のブランディングに対するアプローチは、既にブランド価値を構築したプレーヤーが取るような、情報弱者を食い物にするような「まやかし」のブランディングアプローチ(言い過ぎかな?)ではなく、ユーザー間のネットワーク効果をベースにしたサービス提供と、その結果として生まれるユーザーの集積効果によるメディア価値とその収益化だろう。変化の速いネットの世界におけるブランドとは、所詮過去の証明でしかなく、未来の保証にはなりえない。Web2.0時代のブランドとは、自分の購買決定の動機付けや理由付けなどではなく、「単に好きだから選んだのだ」という素直な誇りのようなものに回帰するのではないだろうか。

これまでのブランディングの考え方やアプローチを全否定するつもりはない。ただ、Web2.0時代のブランディングとは何か、そしてそれを戦略化する枠組みとはどのようなものなのか、一度総ざらいして考え直してみる必要はある。

・・・『Web2.0時代の経営戦略論メモ(3)』につづく

Posted by MK @ 05:00 PM
Category : Research
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『Web2.0時代の経営戦略論メモ(1)』

というわけで、前回エントリーの続き。ヒアリングの内容はできるだけ早く整理しておくのがフィールドワークの鉄則。うまくまとまらないかもしれないけど、それもまたご愛嬌。すべてはこのモヤモヤ感から始まるのさ(自己弁護)。長くなると思うので適当に分割してエントリーします。

※内容に関して、間違いや疑問や批判などあれば、ぜひコメント/トラックバックください。ぜひウェブ上のフィードバックをもとにポリッシュしたいので。特に批判は大歓迎!!!


◆Web2.0の世界の胎動

仕事柄、今回のように定期的に東京に行って、いろんなネット関連企業の方や専門家の方にヒアリングをするのだが、ネットビジネスの世界は本当に変化が速くて、ヒアリングをする度に自分の脳味噌の遅れ具合に愕然とする。ネットビジネスという領域を研究テーマにする限り、研究室に閉じこもっていては何も始まらないという当たり前のことをいつも再認識する。

今回のヒアリングを通じて強く感じたのは、ネットビジネスの世界が何かまた「動き始めた」ような感触だ。非常に感覚的なものなので根拠薄弱なのだが、やはりWeb2.0に代表される次世代インターネットの世界観を概観すれば、「ダイナミック」、「インタラクティブ」、「コンテクスト」、「サービスオリエンテッド」云々の言葉が、絵空事でなく実際のビジネスモデルに組み込んで考えることが可能となったことを感じる。

今回お話を聞かせてもらった佐藤匡彦氏@テクノラティの言葉を借りれば、Web2.0のイメージとは、

Web1.0の静的なWebであったり、Web1.5のサイトの独立性が高いダイナミックなWebとは異なり、サーバやコンテンツ同士がシームレスに連動され、インターネットが社会的なネットワークとして動作する

仕組みと言える。技術のことに興味がない大部分の一般ネットユーザーにしてみれば、「サーバやコンテンツ同士がシームレスに連動され」ることの意味など分からないし、分かる必要もないかもしれない。しかし、ネットを活用したビジネスモデルを設計・実践する者にとってみれば、このことが示す意味合いの大きさは理解せねばならない。

Web2.0以前(すなわちWeb1.0やWeb1.5)のネットビジネスでは、ブラウザに見える表面的な仕組みの裏側で、「データ形式の不一致」というとてつもないボトルネックがあった。様々な情報サービス運営者がそれぞれ独自のデータ形式でつくられたコンテンツを独自のネットワーク構造のなかで走らせていた時代では、そもそも「異なるデータ/システム/サービス同士を繋ぐ」という発想がなかった。乱暴に言えば、とにかく自社内で問題なく動けばOK。他のデータ/システム/サービスとの連携なんて、二の次」って感じ。そんな感じでエイヤッと作られてきた80年代・90年代前半の情報システムやサービスはなんとかそれでよかったけど、90年代後半以降、インターネットが爆発的な普及を遂げ、それに応じてネットワーク速度も劇的に速くなった今、繋がることを前提にしたネットワークベースのデータ/システム/サービス構造をはじめから考える必要が出てきた。

そのためにRSS/ATOM等のXML技術やWebサービスが考案されてきたわけだが、最近のAmazon Web Servicesの展開やGoogle Map APIの公開などに見られるように、前世紀から言われ続けているWebサービスの可能性が、いま一般コンシューマーレベルで実感できるようになった。

Webサービスは、もともとB2B(企業間)の情報シェアリングの効率性を高めるための技術だが、それがいまB2C(対一般コンシューマー)という分かりやすい領域で本格展開されることにより、単なるバックオフィスの効率性追求のツールではなく、広く顧客獲得・市場拡大戦略の手段として活用できるようになったところが面白い。これまで独立して構築・運用されてきた様々なネットサービスが、Webサービスという共通のプラットフォームの上で、効果的な相互補完・相互支援ができるようになったことで、一般ネットユーザーレベルでもその恩恵を実感できるようになった。

そうは言っても、Webサービスの展開が今後より一層広がっていったとしても、一般コンシューマーが感じることのできるサービスの革新性はそれほど高くないかもしれない。Amazon Web Service、Google Map API、と言っても、世の中の大半の人は「ハァ、何それ?」という感じだろう。ただ、これまで完全クローズドの内部資源だったデータを、外部の様々なプレーヤーが活用できるようなかたちにして公開することで、サービス提供者の裾野が一気に広がる。そこにはより良いサービスを提供しようとする企業間の競争空間(=市場)ができあがり、そのことで、結果的に一般コンシューマーは今よりも便利な選択肢をより多く手にすることができるようになる。

というわけで、このWeb2.0というネットの世界の「方向感」のなかで、僕が一番注目したいのが、こうしWebサービスの一般コンシューマー向けの拡大である。

・・・『Web2.0時代の経営戦略論メモ(2)』につづく

Posted by MK @ 01:18 PM
Category : Research
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September 18, 2005
『コユい4日間』

先週の火曜から金曜の4日間、東京に滞在してたくさんの人たちにお会いしてきた。刺激満点、また心の奥底からヤル気が湧いてきた。

9/13は、ネット視聴率調査・分析で有名なネットレティングスの萩原雅之社長にお会いしてきた。萩原氏には6月のセミナーで一度お目にかかり、一度ゆっくりお話してみたかったのだが、ようやく今回実現。ネット広告やブログメディアについて、現在の動向をいろいろ聞かせてもらった。

その後、化粧品口コミサイト「@コスメ」を運営しているアイスタイル吉松徹郎氏に久しぶりに会いに。去年僕の授業にゲストスピーカーで来てもらって以来になるが、相変わらず忙しくそうにして、ゆっくりとお話できなかったが、それでもちょっとした話の節々に刺激的なテーマがいっぱい見つかった。

9/14は、ネットリサーチ会社のインタースコープのセミナーに出席してきた。要は企業マーケッターを集めてこの会社のサービスを紹介するセミナーなわけだが、この会社は単なる調査屋という枠を超えて、マーケティングリサーチモデルをしっかり開発しているところで、他のリサーチ会社には無い競争力を持っている。僕は、特にグループ会社のインタースコープ・フロンティア総研が開発しているメソッドが気になっていたわけなのだが、ここの久恒整社長とも少しだけだがお話できてとてもよかった。

この日の夜には、イギリス留学時代の友人2人と久しぶりに会った。一人はみずほ銀行でプロジェクトファイナンスの仕事をしており、もう一人は総務省でコンテンツ政策に関する仕事をしている。2人ともとても忙しそうだったが、留学時代に一番仲良くしていた友人だったので、久しぶりに3人で会えて本当に良かった。

9/15は一番忙しい1日だったが、その分一番充実した日に。まずランチ時に、電通のタカヒロノリヒコ氏に会う。タカヒロ氏にも昨年の僕の授業のゲストスピーカーとして来て頂いたのだが、いまはネット広告の世界では超有名になってしまわれて、なかなか声をかけ辛くなってしまったのだが、久しぶりにお話できてとてもよかった。僕の授業におけるブログの活用についての素晴らしいアイディアも頂いた。これは実際にやってみたいと思うので、請うご期待。

その後、News2u神原弥奈子氏にご挨拶に。神原氏には、先日大阪で行なわれたセミナーに学生共々招待して頂き、そのお礼も兼ねて伺った。例の衆院選の一件でつい数日前まで怒涛の日々を過ごされていたわけだが、今は「リハビリ中」とのこと。けど、相変わらず爽やかな対応でいろいろ話もはずんで、秋に僕の授業のゲストスピーカーに来て頂けることにもなった。感謝感謝。

夜には、ブログ検索サービス会社のテクノラティ佐藤匡彦氏に会いにいった。佐藤氏は最近話題になっているWeb2.0についてのオピニオンリーダーの1人で、前から会いたい会いたいと思っていてようやく実現。遅い時間の訪問だったのに、とても快く対応して頂いた。ここら辺の話題は、大学研究者はほんとに乗り遅れてしまっているなぁとシミジミ実感。正直、今回あまりにたくさんのことを教えて頂き、感謝の言葉もございません・・・。

最終日9/16には、早稲田大学で開かれていたコンテンツクリエーション&コミュニケーション学会(長ったらしい名前・・・)の研究会に参加してきた。テーマは「ワンソースマルチユースにおける表現意図と著作権」。TBS、WOWOW、USEN、実演家団体など、メディア関係者がパネリストとして招かれていた研究会だったが、やっぱりこの問題は難しい。難しいというのは、問題の構造が複雑なのではなく、結局はそれぞれの立場の人間がそれぞれの既得権益をどう守るかという問題でしかない。悩ましい・・・。

その後、関西に戻る前に、ソーシャルネットワーキングサービス大手GREEの田中良和社長に会いに行ってきた。実はこのミーティング、水曜のタカヒロ氏とのランチの際に僕が「GREEの田中さんに会いたいなぁ」なんて言ってみたら、「会う?」なんて言ってくれて、即アポを取ってくれた(タカヒロさん、マジありがとうございます!!)。

そしてこの日、六本木交差点すぐの真新しいオフィスに伺うと、田中氏はなにやら取材を受けている様子だったが、その後あまり余裕が無いはずなのに時間を割いてくれてお話できた。田中氏の話を聞いていると、「ああ、この人は本当に日々インターネットの世界で戦っているんだなぁ」と実感させられる。うまく言えないが、生き方のスピード感が違うような気がした。ぜひまたゆっくりお話聞かせてもらいたいと思う。帰り際には出版されたばかりの本まで頂いてしまった。田中さん、ありがとうございました!!

gree.jpg

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以上、たった4日間の東京滞在だったわけだが、いつもながら刺激満点の出会いばかりだった。お会いしたすべての方々、本当にありがとうございました。これらすべての出会いが「インターネット的」であることをほんとに実感する。今回のヒアリングを通じて僕のあたまの中をうごめいているものについては次のエントリーで整理してみる(まとまらないと思うけど)。

Posted by MK @ 02:51 PM
Category : Meeting
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September 10, 2005
『年甲斐もなくラブバトン♪』

この前、うちの1年生のゼミ生とメールで回ってくる通称「バトン」の話をしていて、調子に乗って「俺にも回さんかい!!」って言ったら、本当に回ってきた・・・・・。

いざもらってみると、これはムチャクチャ恥ずかしい。今の若いヤツらはこんなもんを回して喜んでいるのかと、オッサンならではの憤りと、これまでのけ者にされてきた悔しさを半分ずつ感じつつ、年甲斐もなく書いてみた。ウワ~、恥ずかしいぃぃぃ。

しかし、こういったチェーンメールはいつの時代も流行るもんだと再確認。ついこの前も、人気テレビ番組「ザ・鉄腕!DASH!!」の企画と称してチェーンメールが回っていたようだったが、僕の友人・知人にも結構回ってきていた。

しかし、このチェーンメールも僕のところには回ってこず・・・。回ってこなければこないで、それは一抹の寂しさを感じずにはいられない。そうか、これはあるコミュニティへの帰属の確認と安心感の醸成・強化の役割をはたしてくれるのか。なるほど。

というわけで、今回判明したのは、僕は既にこういったネット上の若者文化コミュニティとは隔絶しているということのようです。バトンの回ってこないそこのあなた、あなたも既にオッサン/オバチャンの世界に入っているようですよ。

とにかく、ラブバトンやってみます♪ まな、回してくれてありがとう!!!

★★★1. Name and sex★★★名前・性別
○柿原正郎 ♂

★★★2. Do you have a boyfriend or a crush? ★★★恋人、または好きな人はいる?
○いますいます。たくさんいます!?

★★★3. Have you fallen for someone at first sight?★★★ 一目惚れってしたことある?
○ありますあります。メッチャあります。

★★★4. List 3 things you ask from your boyfriend★★★ あなたが恋人に求めるものって?3つ挙げよう。
 1. ショートカットであること。
 2. 耳を出していること。
 3. 髪の毛が肩にかかってないこと。

★★★5. Did the people you dated match your type?★★★ 今まで付き合った人は好みのタイプでしたか?
○自分が思うタイプの女性と付き合ったことは一度もないです。結局惚れたもん負け。

★★★6. Do you tell them how you feel first or wait for them to tell you?★★★ 告白は自分からする?それとも相手から言われるのを待つ?
○しますします。自分からメッチャします。ふられても何度でも押します。

★★★7. Do you want to get married?★★★ 結婚願望は?
○ないです!?

★★★8. How do you deal with a broken heart?★★★失恋した時どういう行動に出る?
○何かに没頭して無理やり忘れようとする。そして、勝手にステキな思い出にしてしまう。

★★★9. What song describes your current love situation best?★★★自分の恋愛の現状を表現できる歌は?
○「現状」ではないけど、昔ふられたとき、ミスチルの「Over」を聞いて、マジ泣きした。

★★★10. Name 5 people to pass the baton to★★★次にこのバトンを回す予定の5人を教えて下さい。
○こんなこっ恥ずかしいチェーンメールは、ここでぶった切ります!!

Posted by MK @ 04:58 PM
Category : Miscellaneous
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