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December 25, 2005
『今年を振り返って・・・'05年』

今日はクリスマス。今年は例年以上に平穏なクリスマスを過ごしたような気がする。まあ、クリスマスといっても大してワクワクもドキドキもしない歳になったのだろう。それもまあ良し。

まだ完全に年内の仕事が終わったわけではないのだけど、ちょっと早めに今年を振り返っておきたい。

今年でいまの仕事について3年目。ようやくおぼろげながら仕事のペースが掴めてきたような気がする。研究・教育・学内業務の3つのバランスをどう取るのか、これが意外に難しかったわけだが、なんとか僕なりのバランスが見えてきた感じではある。

1年目、2年目は教育と学内業務をうまくさばき切れずに、完全に研究がおろそかになっていたのだが、今年はちょっとずつではあるが研究にも時間が割けるようになった。

その目に見えるかたちでの成果は、やはり国内の学会発表を今年3本こなしたことだろう。僕自身、これまで国内にあまり眼が向いてないかったこともあるが、そのせいで国内の研究ネットワークがまったく出来ていないことにふと気がつき、今年に入ってようやく発表に出かけるようにしてみた。

格好をつけるわけではないのだが、これまで学会発表はずっと海外でやってきたので、日本語で自分の研究を発表するのは慣れておらず、最初はかなり不安もあったのだが、やってみるといろいろフィードバックもあってとても良い経験だった。これからも年に数回は国内の学会でも発表していこうと思う。

あと、これまでずっと頭のなかにあった新しいテーマの研究をようやくスタートさせることができた。これまでの研究と同時並行でどこまでやれるか分からないけど、とりあえずしばらくはこの新しいテーマの研究に多少重心を据えてやってみたいと思う。来年は東京にいく頻度がかなり上がりそう。

海外での学会発表では、8月のIFIP 8.2 Working Conferenceで恩師のCarstenに久しぶりに会えたのが良かった。相変わらずエネルギッシュな人で、会うたびに刺激を受ける。また、Carstenと一緒にLSEから来ていた顔見知りのPhDコースの学生にも会えた。苦楽を共にした仲間に会えるのは、やっぱり感慨深いことこの上ない。

教育面については、今年はだいぶ落ち着いて取り組むことができたと思う。

開講2年目となる「情報ネットワーク論」は、「ロングテール」や「楽天/TBS問題」等の最新のトピックをいくつか取り入れながらも、ベースラインは変えずに実施した。また、ワコールの森田さん・小池さん・野津さん、そしてニューズ・ツー・ユーの神原さんにゲストスピーカーに来てもらい、現場の生の話をしてもらった。この授業は僕自身結構負担の大きいやり方をしてしまっているが(受講した学生はもっと大変だと思うが)、その分僕も楽しみながらさせてもらっている。

ゼミ(研究演習)では、今年1期生が4年生となり、卒業論文を書くことになった。卒論の指導については、僕自身初めてだったので、まだまだ至らなかったところが多々ある。というか、この1期生については、ゼミ活動すべてが僕自身の試行錯誤の場となってしまい、正直かなり迷惑もかけたと思う。けど、それを許容してくれて、さらに大きく成長してくれたゼミ1期生には感謝の気持ちでいっぱいである。本当にお疲れさま。

上記してきたことは今年の良かった成果の話だが、その一方でやっぱり不甲斐ない部分、というか各方面にご迷惑をかけた部分も少なくない。仕事のスケジュールがバッティングしまくりで、なかなか参加できなかった宝塚プロジェクト。出版社に原稿を待たせまくっている翻訳の話。そのほか、普段いろいろお世話になっているにもかかわらず、こちらから連絡できていない多数の方々。本当にスミマセン・・・。

まあ、1年を振り返り始めると、どんどんいろんなことを思い出してしまい、キリがなくなりそうなので、この辺で止めておこう。

来年はどんな年にしようか。やりたいことはたくさんある。しかし、時間も体力も脳味噌も、すべて有限である。となると、「何を優先すべきなのか」という問いに直面するのは当然の帰結である。言い換えれば、「何を捨てるのか」ということ。そして、捨てる勇気を持てるのかということ。それが結局は最大の課題であろう。

来年は何かしら、ある程度大きくて、きちっとした成果を出したいな。うん、そうしよう。それを考えながら、年末年始を過ごそう。次の年明けのエントリーで来年の抱負を書きたいと思う。

ちょっと早いですが、皆さま、良いお年を。寒い日が続きますが、お風邪などひかれませぬよう。


クリスマスイブの夜の関学時計台

Posted by MK @ 02:08 AM
Category : Miscellaneous
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December 19, 2005
『[ET研] Googleの戦略分析』

気がついたら年末。ビックリするような寒さで、各地は大雪らしい。寒さが大の苦手の僕としては毎日朝がツライ。

先週の金曜日は、4年生ゼミの卒論発表会。その後、2・3・4年生合同でゼミ忘年会。3学年ぶち抜きでやるのは初めてなので、大人数でなかなか楽しかった。しかし、2・3年生は4年生のオヤジ/オバチャン乗りに着いてこれず、大多数が一次会で脱落。その後、二次会に流れるが、次の日の早朝発の出張が気になり、1:00am前にはお先に失礼させてもらった。次の日を気にするようになるなんて、自分も歳をとったもんだ。

次の日、2時間ほど寝てから日帰りの東京出張。研究関係で一件人に会いに行くのが目的なのだが、気持ち的なメインの目的は、随分ご無沙汰してしまっている「Emerging Technology 研究会」への参加だ。今回のテーマは「Googleの戦略分析」。やっぱりなんだかんだ言ってGoogleのこのところの動きは注目せざるを得ないので、ちょうど良いタイミングの頭の整理になると思って参加させてもらった。

以前に参加させてもらった時はもうちょっとこじんまりした感じだったが、今回はテーマの注目度が高いせいか、30人ぐらいとかなり規模が大きくなっていた。その分、論点が少し発散気味だったが、活発な議論が繰り広げられて、頭の刺激としては申し分なかった。

この日の冒頭に議論の出発点として紹介されたhiguchi.comの「ブログ、グーグル、アテンション [情報の“民主”化とメディア]」のスライド(PDF版)が面白かった。ダベンポートのアテンション・エコノミー(邦訳「アテンション」)の話は、2001年(だったかな?)のHICSSであった彼のキーノートスピーチで聞いて以来、僕も事あるたびに紹介してきた。

世の中に流通する情報がどれだけ増えようとも、それを人間がすべて認知・処理・理解できるわけがなく、結局は人間の認知処理能力の限界がボトルネックになるという話は、今をもって尚極めて重要な指摘だと思う。だからこそ、限りある人間の認知能力を有効に活用するための「ナビゲーション」が重要でそこが新たなビジネス領域になるというエバンス&ウースターの90年代後半の指摘の重要性も依然変わらない。もしかすると、ネットビジネスや情報経済の僕らの議論は、その時代から一向に進んでいないのかもしれない。

その情報氾濫時代のナビゲーションへのアプローチに関して、いわゆるGYM(Google・Yahoo!・Microsoft)各社の戦略は異なるのだろう。ベースとなる検索技術の圧倒的なスケーラビリティとサービス開発・導入のスピードで勝負するGoogleは、あの白くシンプルな検索ページに多くの人が「騙されている」(藤代氏の発言から)間に、急速にYahoo!的な方向へのサービス拡充を進めてきている。

こうしたGoogleの戦略展開に求められるのは、ユーザーベースを拡大し囲い込むようなマス・マーケティングなのか、これまで通りのInnovator/Early Adopter向けのギーク・マーケティングなのか、そもそもGoogleのブランド価値とはなんなのか、誰のため/何のためのブランディングなのか、みたいな点が頭でモヤモヤしつつ、多くの方の活発な発言で、寝不足の僕の脳味噌には十分過ぎる刺激になった。

いま、この研究会に参加した方のこの日のブログエントリーをパラパラ見させてもらった(つーか、皆さんあげるの早すぎ!!)。Masa33氏の当日の発言(だったと思う)とそれをまとめたエントリーにあった「自らがサービス提供して市場を創造し、API公開してアフィリエイト経由でマスへリーチする、というのがGoogle流」というのが、僕の研究的には一番ヒットした内容だった。競争優位なリソースをどのように戦略活用するのか、そこにオープン/クローズドの視点はどのように重なるのか、またさらに、戦略展開の時間軸・スピードの視点はどのように絡んでくるのか・・・。アイディアの種をまたたくさん頂いた研究会だった。

主催の渡辺さん、運営スタッフの方々、また参加された皆さん、ありがとうございました&お疲れさまでした。

Posted by MK @ 10:54 AM
Category : Research
Permalink | Comments (8)


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