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April 27, 2006
『あまりに刺激的なYouTube』

最近はちょっと冴えない内容のエントリーばかりなので、久しぶりにちょっとまともな話題でも。

YouTube(ユーチューブ)という動画共有サービスをご存知だろうか? このブログを読んで頂いている多くの人は「何を今さら」という感じかもしれないが、この前ゼミの学生にYouTubeことを知っているか聞いたら、知っていたのは10人中1人だけだった。mixi(ミクシィ)のことは、うちのような所謂文系学部の学生でも今ではほとんどが知っているが、YouTubeの認知度はまだまだ低いようだ。

どんなネットサービスなのかというと、誰でも無料で動画をアップロードでき、それをいろんな人と共有できるというもの。個人で撮影したプライベートの映像から各種有名アーティストが登場する映像まで、ありとあらゆる動画が公開されている。建前上、著作権を侵害しない動画のみが投稿されるはずなのだが、実際は著作権侵害の点ではグレーなものや真っ黒なものまで公開されている。

しかし(というか、だからこそ)2005年春のサービス開始以降、爆発的な勢いでユーザーを獲得し、2006年3月には、YouTubeのサイト訪問者数が「iTunes Music Store」を擁するAppleのサイトの訪問者を超えてしまった。

人気の秘密はとにかく触ってみれば一目瞭然。日本語にはまだ対応していないが、例えばお好みの歌手の名前をアルファベットで検索してみれば、ズラッとその歌手のPV(プロモーション・ビデオ)が出てくる。例えば、「エロかわいい」で有名な某女性アーティストを検索すれば、かなりの数(ほとんど?)の彼女のPVを見ることができる。

僕は1980年代半ば〜90年代半ばにかけて、かなりの洋楽オタクだった。特にイギリス系のアーティストにはまって、超メジャーアーティストから、超マイナーアーティストまで、かなり幅広く聞いていた。YouTubeはそんな僕には涙もののサービスである。なんてったって、今ではなかなか見られないと思っていたPhil CollinsやGeorge MichaelやU2などの往年の名曲のPVがズラズラ見つかるからだ。さらには、Acid Jazz好きの僕には、Soul II SoulやJamiroquaiやThe Brand New Heaviesなんかが簡単に見られるのもたまらない。ここでPVを検索→見る→検索→見る・・・を繰り返していると、ほんといくら時間があっても足りない。

今回なぜこのYouTubeを採り上げたのかと言うと、こんなニュースを今日見たからだ。

動画共有サイト「YouTube」、日本から212万人が訪問--利用率は米国内に匹敵』 - CNET Japan

日本ではまだまだ一部のネットユーザーの間でしか知られていないと勝手に思い込んでいたYouTubeが、実は日本でも劇的にユーザーを増やしているというのだ。

日本のユーザーのYouTubeへのアクセスは2005年12月から急増し、2006年3月には212万人に達した。日本国内での利用率は5.2%と、米国内での利用率5.4%に近づいている。また日本のユーザー1人あたりの平均訪問頻度は3.2回、利用時間は約33分と、いずれも米国ユーザーを上回り、「日本のユーザーの熱心な利用状況が浮かび上がった」(ネットレイティングス)という。

知らない間にここまで広まっていたとは、ほんとオドロキである。全ネットユーザー中の利用率5.2%というと依然低い利用率のように思えるかもしれないが、このサービスがスタートしてからまだ1年ちょっとしか経っていないことや日本語に対応していないことを考えれば、驚異的と言えるだろう。

しかし、このあまりに刺激的なYouTubeなのだが、ビジネス的にも非常に注目されているサービスなのである。

まずビジネスモデルの面で言えば、このサービスの収益化を今後どのように進めていくのかが極めて興味深い。今のところ無料のサービスだし、何の広告も載せていないので、このサービスそのものからは1円たりとも生み出されていない。しかしながら、アメリカのベンチャーキャピタル最大手の一つ、Sequoia Capitalは、2度続けて巨額の投資をしている。初回の投資は350万ドル*、そしてこの4月には2回目の投資として初回の倍額以上の800万ドル*を、このまだ何も収益を生み出していない**ベンチャー企業に投資した。

* 注)5/1 訂正。
** 注)Google Adsenseの広告が載っているので「何も収益を生み出していない」とまでは言えませんね。失礼しました。5/1 追記。

こうなると、YouTubeの次の一手に注目が集まるのは当然なのだが、最近のWeb 2.0系の企業のように、GoogleやYahoo!に買収されるのを半ば目標にして事業を進めているのだったら、正直とても残念だ。YouTubeはそうでないと願いたい。いまのサービス構造では、やはり広告収益モデルが一番手っ取り早いアプローチではあるが、これもまさにWeb 2.0的ではあるのだが、それだけでは何か物足りない気がするのは僕だけだろうか。

さらに注目を集めている点は、著作権問題の対処である。上記したように、現状では著作権侵害に相当すると思われる動画が数多く投稿されている。実際、アメリカのテレビ放送局のNBCやCBSは自社のTV番組がYouTubeに投稿されていることを激しく非難している。こうした動きを受けて、YouTubeは柔軟な対応を見せており、投稿できる動画を最大10分間とする制限を加えた。

さらに著作権がらみの動きとしては、なんと音楽エンターテインメント専門チャンネルであるMTVと正式契約して、ビデオクリップをYouTubeで流すことにしたそうだ。既存のコンテンツホルダーと敵対するのではなく、提携・恊働することでお互いの相乗効果を狙うということだ。こうした動きも、既存企業から完全に敵対視されてしまい、結果的に潰されてしまったNapsterなどの一世代前のファイル共有サービスとは一線を画す動きである。

いままでこうした音声や動画の共有サービスは、良くも悪くも様々な話題を提供し続けてきた。音声や動画の共有・公開・交換などは、まさにネットの広大な可能性を見せてくれる一方で、その領域で既にビジネスを確立させている企業や団体からは激しい反発をくらってきた。

この対立には、既存企業の新しい技術イノベーションに対する理解の度合いなども問題ではあるのだが、僕はネット企業の既存ビジネスに対する理解や配慮や調整の努力の少なさも問題の大きな要素であったと思っている。あたかも「あちら側(ネット)」と「こちら側(リアル)」には埋めがたい断絶があるかのようもお互いが思い込み、それぞれがそれぞれの領域で完結するようなビジネス構造を作り、それを維持しようとしてきた。ネット側企業のビジネス構造がネット側で閉じてしまい過ぎるのは、自らの健全な発展にマイナスに寄与する可能性も十分ある。

YouTubeの話題に戻ると、ここまで注目を集めている大型ネットサービスは近年でも珍しいので、ビジネスモデルとしても「あちら側(ネット)」で完結させてしまわずに、「こちら側(リアル)」の既存企業やサービスとの連携で、もっとスケールの大きいビジネスモデル開発をしてもらいたいと僕は思っている。この意味で、MTVとの連携はひとつの試金石になるだろうし、同様の連携がもっと増えてくれば良いと思う。

これはWeb 2.0的な考え方で言えば、ある種の後退のように見えるかもしれないが、僕は今のネットビジネスにはこういったリアルビジネスとのリアルなリンケージを模索する努力が一番大切なのではないかと思う。AppleのiTMSが大手音楽レーベルと根気よく交渉を重ねて契約をまとめ、大きなスケールでサービスインしたからこそ今日の成功を成し得たとも言えよう。結局のところ、ネットビジネスの勘所は、最終的には技術の領域ではなく、これまでのビジネスと同じように、極めて人間的な領域にあるように思えるのだが、どうだろうか。

ここら辺は、最近いろんなところで良く議論されているGoogleのTechnology-centricなビジネス戦略の方向性とは相反するかもしれない。ただ、Googleのそんなengineering的アプローチを目の前にすると、頭では理解して受け入れはするものの、どこか落ち着かない気分になる僕はネット的にはもう古い世代なのだろうか。

いや、逆かもしれない。既視感だ。コンピュータシミュレーションで社会現象のメカニズムが精緻に解明可能だと考えられたり、人工知能が実現可能だと考えて開発に邁進したりしてきた1970〜80年代。その頃の雰囲気をいまのGoogleに強く感じる。もしかしたら当時実現できなかった夢が、この21世紀のいま、インターネット技術の発展によって可能になったのかもしれない。だから、Googleがここまで大きく成長したとも言える。GoogleのTechnology-centricな思想と戦略を見ていると、30年前に果たせなかった人類の夢がフラッシュバックしてくる。そんな感覚かもしれない。そして、逆に人間のウェットな感覚や領域に触れることで安堵したり、そこにビジネスや社会の希望を見いだしたりする自分は、やっぱり古い世代なのかなぁ。まあ、古くてもいいか。

話がだいぶ逸れたが、ま、とにかく、YouTube、いろんな意味で要チェックですよということです、ハイ。

Posted by MK @ 05:42 PM
Category : E-biz news
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April 24, 2006
『最悪の1ヶ月』

いやほんと、この4月はなかなか最悪のひと月だった。まだ4月も全部終わってないけど、気分的にはもう終わった感じ。前々回前回と腰の調子が良くないという報告はここでさせてもらったが、実はこれは序章でしかなかったようだ。

まず体調面では、既に報告した椎間板ヘルニアが依然辛い状態にある。腰を引っ張るリハビリを週3〜4回ほど行っているのだが、ほんの少しずつ快方には向かっているみたい。けど、長時間椅子に座っていると徐々に腰が痛くなってきて集中できなくなる。年度初めの忙しい時期にこの状態は非常に辛い。

しかし、なんとこれに追い打ちがかかる。大学の授業が始まる4/10の週に入ったとたん、原因不明の発熱に襲われたのだ。38度台の高熱が続き、解熱剤で下げてもまたすぐにぶり返す。授業も初回からいきなり休講にするわけにもいかず、ゾクゾクくる寒気と戦いながらなんとかこなす。

さらに首の右側のリンパ節がパンパンに張ってしまい、かなりの痛みも伴ってきたことから、これはヤバいと思い病院へ。すぐに抗生剤を処方してもらい飲み始めたのだが、なかなか効かない。次の週に入っても熱は下がらず、再度病院に行き、別の抗生剤を出してもらい飲み始めるとようやく熱も落ち着いてきて、なんとか普段通りに戻れたのがようやく先週末ぐらい。

腰痛と発熱のダブルパンチ、なかなか効きました。近年ほとんど病気らしい病気にかかったことがなかった僕としては、久々に辛い2週間だった。

しかし、悪いことは体調面にだけ起こったわけではなく、仕事や対人関係などにも起こってしまった。これについてはここに詳しくは書けないのだが(というか、書きたくないし・・・)、僕の良く回りすぎる口が災いして、意図せず人を傷つけてしまったり、逆に自分にはまったく身に覚えのない噂に巻き込まれてしまい、結果的に周りに迷惑をかけてしまったり・・・。正直、精神的にもかなりヘコんだ。

うまく行かないときには、何をやってもうまく行かない。今月の僕はまさにこんな状態だった。体調を崩し、対人関係で問題発生、しかも仕事でもトラブル。なんか1年分の問題がすべて今月に起こったような感じだ。僕はあんまり運勢などは信じないタチなのだが、今月の僕の運勢はもしかしたら最悪だったのかもしれない。誰か調べてくださいな。

けど、こんな時に気分的に少しでも救ってくれたのが、学生とのおしゃべりや食事などのほんの些細な日常の出来事だ。特に今はゼミの4年生が就職活動の最中で、いろいろ悩みを抱えて研究室にやってくる。彼/女らに対して偉そうにアドバイスをしつつも、実は救ってもらっているのは僕自身だったというよくありがちな構図。

このBlogももっと明るい話題やタメになるネタを書きたいのだが、いまはムリそうです・・・(T T)。次はなんかもっと元気になるようなこと書きたいなぁ。

そうそう、最後に少しだけマトモな話題を。

実はわたくし・・・、Macに乗り換えました!!!

随分前からWindows→Macへの乗り換えは検討していたのだが、Intel CPU搭載のMacが登場したのを期に一気に乗り換えを決意した。ひとまずIntel Mac miniとCinema Displayのシンプルな組み合わせで研究室に1セット導入して、これまでのWindows環境と併用するかたちに。そして自宅用にはMacBookProをいま検討している最中。

乗り換えとは言っても、Macを使うのは今回が初めてではなく、大学卒業後すぐに働きはじめた会社のPC環境はすべてMacだったので、そこで働いていた4年間はずっとMacを使っていた。Mac OSのユーザーインターフェースの作り込みのなんとも言えないセンスはWindowsには無いもので、「うんうん、やっぱこれがMacだよね〜」なんてブツブツ言っている自分が少々コワイ。

スケジューラーもメーラーもWebアプリを使っている僕は、日々のPC上の業務は何の問題もなくすぐに移行できた。やはりソフトウェアはパッケージからWebアプリ/ネットサービスの時代へ突入しつつあることを身をもって実感。今後ソフトウェアは、特殊業務用以外はどんどんWebアプリ/ネットサービス化していくだろう。まさに、「The Network is the Computer」。素晴らしい。

あとはこれまでの仕事のデータを移して、作業環境設定を自分好みに整えていくのみ・・・なんだけど、上記した体調不良&その他でMacを使い込む余裕がなかった。まあ、体調も戻ったことだし、ぼちぼちやっていこうかと。次回以降またレポートできればしたい。

P.S.
ここ数週間の体調不良で、いろんな方々にご迷惑やご心配をおかけしました。激励のメールをくれた皆さん、本当にありがとうございました。滞っている仕事はすぐに処理しますので、しばしお待ちを。

Posted by MK @ 07:03 PM
Category : Miscellaneous
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April 10, 2006
『完全にやってしまいました・・・。』

何かというと・・・、「腰」です。

前回のエントリーの冒頭で腰痛がヒドイという話をしたところだが、あれから2週間、痛みは一向に引かず、まともに椅子にも座れない日も出てきた。単なる筋肉痛かと思っていたけど、そんな生易しいもんではなさそう。

というわけで、今朝近くの整形外科に行ってきました。月曜の午前ということで、待合室は超満員。1時間以上待たされて診察室へ。症状を先生に伝え、とりあえずレントゲンを撮ってみましょうとのこと。レントゲン撮影後、再度診察。そして先生曰く・・・、「椎間板ヘルニアの疑いアリですね」と。

椎間板ヘルニア。

あーそーですか。

いや実は10数年前にも一度これになりそうになったことがあって、当時はなんとか持ちこたえたんだけど、例のスポーツ大会のせいで再発した悪寒。しばらくは、背骨を伸ばすための牽引をしましょうということで、これからほぼ毎日リハビリに通うことに(泣)。

いやほんと、年甲斐もなく激しい運動はするもんじゃないです。皆さんもお気をつけくださいまし。

Posted by MK @ 04:09 PM
Category : Miscellaneous
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April 02, 2006
『「シンプル」の強さ - タダコピ』

昨日から新年度に入った。気分一新、晴れやかな気分で新年度を迎えて・・・、と言いたいところだったのだけど、実はいま、酷い腰痛に苦しんでいる。正確に言うと、腰まわりの筋肉の左よりの部分の筋がかなり痛くて、夜もなかなか寝付けないでいる。

原因は明らかで、先々週に新しいゼミ生たちと一泊二日で合宿に行ってきたのだが、その2日目の午前に恒例(?)のスポーツ大会があり、年甲斐もなくバレーボール、バスケットボール、そしてドッジボールをした。しかも、すべて手を抜くことなく、全力で張り切ってしまった。その結果、この有様である。情け無いにもほどがある。実は今も痛くて、椅子にじっと座ってられない。あー、イタイよー(TAT)。

年度の初めなので、なんかしっかりとしたことを書きたかったのだけど、この腰痛で考えるのも面倒になってしまった。その代わりに、ネットをふらふらしていて見つけたあるビジネスプランが気になったので、そのことを書いてお茶を濁すことをお許し頂きたい。

「タダコピ」 from す、すぽぽぽぽんぽん 2

そのプランの名は「タダコピ」。慶應の現役学生が会社をおこしてこれから展開しようとしているようなのだが、とにかくウマイ。目の付け所、シンプルな事業モデル、既に顧客を獲得している実績、等々。学生が立てるビジネスプランのお手本のように思える。

事業モデルは、学生が使うコピーの紙の裏側を広告スペースにして、企業から取ってきた広告を載せて、通常10円程度かかるコピー代をタダのしようというシンプル極まりないもの。

けど、学生(ユーザー)、企業(広告主)、大学(設置者)のベネフィットが明確で、時代の流れに左右されず恒常的に需要が存在する市場をターゲットにしている。しかも、単に学生サービスの域に留まらず、ネットや雑誌(クーポン誌等)などの既存の情報サービスとの融合や連携も可能であろう。何よりも、学生が学生の立場で事業展開することの意義が十二分にある。

僕のゼミではこれまで3年生の春にビジネスプランの作成ということを2年続けてやってきたのだが、まず学生が苦しむのは「ビジネスチャンスなんてそんな簡単には見つからない」という現実にぶち当たることである。学生も最初は嬉々としてプランニングに入るのだが、思いつくアイディアは大抵が既に存在しているか、既に廃れてしまっていることを徐々に知っていくと、一気にテンションが下がるのである。

しかし、それでもヤル気のある学生は、なんとか商品/サービスに新規性や奇抜さを持たせるような方向でアイディアを練るのだが、そうなると得てして事業構造が複雑になったり、莫大な先行投資が必要なプランになったりしてしまい、そのプランの「実現可能性」が一気に下がる。学生はまた壁にぶち当たり、どうしてよいか分からなくなる。

新規のビジネスプランは、結局は「既に存在する需要に応える」のか、「新たな需要(市場)を創り出す」のか、そのいずれかなのだが、どうしてか学生は後者のアプローチを採るプランを作りたがる傾向にある。「新たな市場の創造」。確かに聞こえはカッコイイが、そう簡単に市場を生み出せるなら誰も苦労しないし、景気も常に良好なはずだ。

初めてビジネスプランを作るとなると、どうしても必要以上に難しく考えてしまったり、複雑に仕上げてしまったりするけど、本当に大切なのは「シンプルさ」である。事業の目的、ターゲット、構造は分かり易ければ易いほど良い。

当然いろんなタイプのビジネスプランがあるので、すべてがすべてシンプルなプランばかりではないし、本当に新しい市場を創るようなプランはどうしても事業構造が複雑にもなってしまうかもしれない。しかし、初めて作るビジネスプランということであれば、できるだけ「既に存在しているがまだ満たされていない日常のなかの需要」に目をつけ、その需要にできるだけシンプルに応える仕組みを考えることを目指したほうが得策だと思う。

この「タダコピ」の事業モデルは、極めてシンプルである。学生が日常的に使うコピー機。特に試験前などコピー機無しでは学生は生活すらできない。だからこそ、1枚10円というコピー代を惜しげもなく払う。けど、これがタダになるのであれば、ほぼ全ての学生が喜ぶのは間違いない。そこにこのプランは目をつけた。そして、広告というこれも極めてシンプルな収益モデルを持ってきた。いつの時代にも学生に対して情報を届けたいと思う企業は必ず存在する。その企業から広告を取れば良いだけである。

既存の需要に対して、既存の仕組みで応え、既存の収益モデルで儲ける。それぞれのパーツに新しいものは何もない。しかし、これを組み合わせるだけで新しいビジネスプランになるのである。ビジネスプランの基本は、やはり自分の生活の足元を見つめ、その中で潜在的な需要を見つけ出し、シンプル且つ具体的な仕組みでサービスを提供するモデルであることを、この「タダコピ」は鮮烈に教えてくれている。

この「タダコピ」。今後の事業の継続性を考えると、もちろんそう簡単なわけではない。例えば、コピー用紙の裏面を使う広告手法は斬新だが、広告主が厳密な広告効果を求めてきたら、それに対してどう答えるのか。また、多数の広告主の様々な広告を、どのコピー機にどのような配置するのかなど、様々な工夫が必要だろう。

けど、そんなこともこの事業を展開しながらでないと解決できない問題である。だからこそ、まず始めてみることが大切なのである。そして、このプランはすぐに実現し展開することができるという点でも極めて優れている。また、事業のスケーラビリティ(拡張性)についても、今は単に学生サービスとして提供しているが、企業向けのサービスとして展開することも十分可能だろう。

まあ、あまりこのプランのことを褒めすぎても仕方ないけど、既に事業拡大に向けて頑張っている「タダコピ」運営者の学生さんたちには、ぜひとも頑張ってもらいたいと思う。そして、こういった元気一杯の学生と溌剌としたビジネスプランに、うちの学生さんたちも大いに刺激を受けてもらいたいなぁと思う次第である。

最後に、こじつけのようだけど、今年度の僕の生き方も、ぜひ「シンプル」をテーマにいきたいと思う。ややこしいことを考えずに、シンプル且つ具体的に取り組む。これやっぱり基本。今年度もどうぞよろしくお願い致します。

Posted by MK @ 11:54 PM
Category : E-biz news
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