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August 13, 2006
『遠い日の夏 - 「時をかける少女」』
外は夏真っ盛りだというのに、毎日研究室にこもってお仕事。もちろん仕方ないんだけど、やっぱり少しは気分転換もしたくなる。鬱屈した気分を少しでも紛らわそうと、思い立ったように今朝一人で映画館に行ってきた。 狙いはただ一つ。ジョニデでもゲドでも日本沈没でもなく、筒井康隆原作の名作短編小説を劇場アニメ化したあの映画。そう、「時をかける少女」だ。 お盆休みに30過ぎのオッサンが、しかも一人でアニメ映画を見に行く。もうこれほんと、テラヤバス。一人でアニメ映画に行くなんて、小学生の頃に見に行った「ガンダムIII - めぐりあい宇宙」以来ですよ。けど、見に行って本当に良かった。Yahoo!ムービーの作品ユーザーレビューで堂々の1位(2006.08.13 時点)にいつわりはなかったです。 けっして大作ではないけど、まさに佳作という言葉がぴったり。内容については、ネット上でいろんな方々がレビューしているのでここでは省くが、いろんな人がそれぞれの思いや経験を重ねられるシンプルでストレートな作品になっている。 どんなに時を超えられても、「今」という時は目の前にしかない。その「今」の大切さに気付き走り続ける主人公の姿に、若い人はまさにこの瞬間を刻む青春の日を重ね、僕を含め年をとった人は記憶の彼方の遠い日の夏を思い映す。エンドロールが流れ終わって館内が明るくなった時、僕の隣で見ていた高校生と思われるカポーが手をつないで涙しているのを見て、僕もどこか心が洗われるような気がした。 この映画、いままさにネットの口コミで人気が広がっていて、僕もそれに刺激を受けたクチだが、そうした評判の伝播にも素直に頷ける。1983年に公開された原田知世主演の劇場版を知っているオッサン層には、心憎い演出がいくつもある。僕は原田知世版はうろ覚えなのだが、それでも「あっ、このシーン!!」ということが何回かあった。今回のアニメ版のストーリーは、この原田知世版の続編にあたるのだが、原田知世版を知らなくてもまったく無理の無い素晴らしいストーリー展開となっている。 この映画の素敵さは、本当に誰かに教えたくなる。大ヒットしている映画なら自分が教えなくても周りも既に知っているものだが、この映画は上映館が少ないだけに、「この映画、なかなか良かったよ。見に行ってみたら?」となぜか無性に人に薦めたくなる。それも、超プッシュで教えるのではなく、何気なくサラッとという感じで(笑)。 この暑い夏、ちょっと映画館で涼んでみようというなら、この映画をオススメします。僕が見に行ったのは、109シネマズHAT神戸というところ。駅から離れていてちょっと不便ですが、車で行けば駐車場は3時間無料ですし、結構空いているキレイな映画館なのでオススメです。 最後に、奥華子さんが歌うこの映画の主題歌と挿入歌がとても良いです。両方とも歌詞が映画のなかで主人公が言えなかった思いを表しているようで、主題歌「ガーネット」が流れる最後のエンドロールの際には、奥華子さんの切なく澄んだ歌声にも魅せられて、エンドロールが終わり切るまで僕を含め誰一人席を立てませんでした。この歌は、映画を見た人なら何度聞いても胸がキュンとなるはずです。 「時をかける少女」、上演館がそんなに遠くない人はぜひ足を運んでみてください。映画を見終わって外に出た時、この胸苦しくなるような夏の暑さが、どこか懐かしく感じられ、ちょっとだけ心地よくなった気がするのは僕だけではないはずです。
●「みずみずしく青春描く - アニメ映画『時をかける少女』」by asahi.com ●「ネットの口コミで大ヒット?『時をかける少女』は連日超満員!」by Yahoo!ニュース ●「中年男号泣のワケ…アニメ映画『時をかける少女』 」by ZAKZAK ●「骨格がシンプルな物語は何度でも繰り返すことができる - 筒井康隆」by R25.jp
Category : Miscellaneous Permalink | Comments (4) August 07, 2006
『Google Scholarの到来と日の丸検索エンジンの憂鬱』
8月になって、ようやくじっくりと研究に没頭できる時期に入った。しかし、僕がこの夏やらねばならない仕事はひとつだけ。そう、翻訳です。もう待った無しです。背水の陣です。この夏に仕上げなければマジでヤバいっす。 しかし、目の前に大きな仕事があればあるほど、心はどこか違うところへ飛んでいきがち。現実逃避するようにネットをふらつついていると、ここぞとばかり面白いネタがいくつも見つかり、頭は完全にそっちにもってかれてしまう。 Google周りの動きにはやっぱり目が離せない。今日、MTVの音楽クリップなどのコンテンツをAdSenseの広告ネットワークで配信するというモデルを発表した。YouTubeが掘り当てたネット上で動画コンテンツを簡単に見たいというユーザーニーズの大フロンティアを、Googleは自社の圧倒的な広告ネットワークに繋げて収益化を目指すのは当然の方向だろう。詳細はまだ分からないが、この動きには注目である。 けど、僕が個人的にもっと注目するのは、このニュースに隠れるようにひっそりと報道されたもう一方のGoogle関連ニュースだ。 ●「グーグル、学術論文検索サービスの日本語版を年内開始」by NIKKEI NET グーグル日本法人は、日本語の学術論文をインターネット上から無料で検索できるサービスを年内に始める。論文のデータベースを運営する国立情報学研究所などと連携し、入力したキーワードに関連した論文を選び出す。見つけた論文が他の論文から引用された件数もわかる。大学や民間企業で働く研究者の利用を見込む。 早い話が、Google Scholarの日本語版が年内に登場するというニュースである。Google Scholarはアカデミックな世界の人間には結構知られているネットサービスではあるが、一般的にはそれほどの認知はされていないのではないかと思う。要は、学術論文のデータベースなのだが、論文相互の引用(citation)の状況を簡単に見せてくれるので大変便利である。ちなみに、僕の論文について調べてみると、こんな感じで出てくる(注:一部他の人の論文が含まれています)。トップの論文はそこそこ引用されているみたい。 このニュースをさらっと読むだけだと、「なんだ、Googleのベータサービスがひとつ日本語化されるだけでしょ」と思うかもしれないが、注目すべきは「国立情報学研究所などと連携」という箇所である。つまり、国立大学法人法に基づく独立行政法人とはいえ、国のお膝元の組織が他でもないGoogleと連携するというのである。 国立情報学研究所というのは、ある世代以上の大学関係者の間では「学情」と呼ばれる学術情報センターが元となって2000年にできた組織である(今は文部科学省管轄の独立行政法人)。この組織の一番のミッションは、今では「情報学の統合的な研究・教育の展開」となっているが、設立当初から続く重要な仕事は「学術情報ネットワークの構築と整備」である。つまり、学術論文などの研究成果のデータベースづくりである。日本の大学で仕事をする研究者の研究成果はここのデータベースに登録されるようになっている(全部ではないと思うが)。 上掲の記事によれば、これまで自前で学術情報データベースを作ってきた国立情報学研究所が、登録データをこのGoogle Scholar日本語版に提供するというのである。本家アメリカのGoogle Scholarは、これまでIngentaやExtenzaなどの学術ジャーナルアグリゲーターと提携して検索可能な学術情報データを増やしてきたが、日本語版の導入にはこれと同じように日本語の学術情報のデータ仕入れ先を確保する必要があった。 そして今回の報道である。日本国内の包括的な学術情報は事実上この国立情報学研究所しか持ってないので、この流れも当然とも言える。国立情報学研究所としても、せっかく作ったデータベースをより多くの人に利用してもらいたいという思いは当然だし、今回の連携の意思決定も至極全うなものだと思う。とはいっても、やはり国内の学術情報を取りまとめる「本丸」がこんなにアッサリと落ちるとは思わなかったので、僕的にはかなりオドロキだったわけである(いや、実際はアッサリでもなかったかもしれないけど・・・)。 ここまで読んでお気づきの方も多いと思うが、当然のように気になってくるのは、経済産業省が音頭を取って産官学連携で国産の検索エンジンの開発を目指して設立されたコンソーシアムの姿勢とのコントラストである。 経産省の担当者の方が言うように、検索エンジン技術のGoogleの独占的状況が国の情報政策的には無視できない問題として捉えられている背景もよく分かるが、そこで、国をあげてGoogleに対抗する日の丸検索エンジンを開発しようというのがいかにも日本的である。池田信夫氏のブログ経由の情報によれば、このプロジェクトに対して経産省は来年度の予算として3年間で300億円の予算を要求するそうだ。 そうした動きのなかで、今回のGoogle Scholar日本語版のニュースで採り上げられたように、別のお役所の下にある組織ではGoogleとの連携姿勢が明確に出てきている。一方のお役所では、税金を投入して「国策」としてGoogleに真っ向から対決する姿勢。別のお役所のほうでは、割り切ってGoogleと連携してより便利なサービスを提供しようとする姿勢。お役所が違えば足並みも揃わないという、これまたいかにも日本的状況である。 一ユーザーとしては、どちらの姿勢が好ましいかは明らかだが、より長期かつマクロの視座に立って見れば、問題は複雑化する。 経産省が進めるこういった「国策プロジェクト」を強く批判する池田氏でも認めるように、科学技術の発展に政府予算はこれまでも大きく寄与してきている。問題は政府プロジェクトの事後評価がうまく機能していないというのも納得である。ただ、その事後評価というのは、dankogai氏が指摘するように、結局は僕たち生活者(納税者)自身が果たさなくてはならない役割でもある。 ただ、僕ら市民一人一人がその事後評価を行うために必要な技術基盤となるのは、結局のところ、個人が自由(フリー)に使えて網羅的に情報を検索できるサービス、すなわち検索エンジンなのであり、それを提供するのは国なのか私企業なのかという問題に再び戻ってしまう。ただ、その場合の検索エンジンは「ビッグブラザー」的な監視システムとして働くのではなく、東浩紀氏が言うところの「偏在するリトル・ブラザー」を支える技術基盤となるのだろう。僕らの課題は、そうした緩やか監視社会のなかでのインターネットの役割や、その中での情報流通の仕組みを考えることなのだろう。 そんな中で、シンプルに「ユーザー最優先」の理念を貫いてサービスの開発と導入を粛々と進めるGoogleには清々しさすら感じる。Googleにとって、大仰な政策論争や制度論争は二の次なのだろう。上場している営利企業なのだから、それで良い。ただ、そのサービスを利用する僕らは、こうした議論も頭の隅にちょっとは置いておかないといけないのだと思う。それが、次代のインターネットの制度設計の方向性に関わってくるのだから。 とまあ、Google Scholarネタからトンでもない方向への話題の飛躍だけど、そんな妄想に更けさせてくれるGoogle先生の偉大さに感銘を受けつつ、やらねばならない目の前の仕事に戻ります・・・(泣)。 Posted by MK @ 06:31 PMCategory : E-biz news Permalink | Comments (2) August 02, 2006
『Yahoo! Days始動』
いよいよ真打ちの登場と言うところか。国内のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ビジネスにおいて、ブッチぎり先行しているmixiの真の対抗馬とも言えるYahoo!のSNS「Yahoo! Days(ヤフー!デイズ)」が一昨日正式にスタートした。 国内のリーディングSNSであるmixiの現在のユーザー数は約500万人。いまでは、ネットのことに詳しくない学生ですらmixiの名前はほぼ全員知っているほど若者の間では浸透している。 ここに、Yahoo! BB会員(508万人)とYahoo!プレミアム会員(635万人)の計1100万人を擁するYahoo!が攻勢をかける。国内最大級のネットユーザーのアカウントを保持するYahoo!が、国内最大のポータルサイトと各種サービスとの連携のなかで、mixiを追撃するわけである。いや、追撃というより、違うサービス体系を目指しているといったほうが良いだろう。 Yahoo! Daysの強み・弱みなどの分析は、山崎秀夫氏が素早くやってくれているので割愛するが、やはり良質かつ身元保証のあるユーザーアカウントを1100万も保持していることや、既存の各種Yahoo!サービスとの縦横無尽の連携を想像するだけで、ちょっとワクワクしてくる。今後の展開に大注目。 最後に・・・、自分のYahoo! Daysのお友達が一人もいないのは強烈に寂しすぎるので、お友達になってくれる人を大募集します。Yahoo! Daysに招待して欲しいという方は、下のコメント欄に一言書いてくれれば招待メールを送ります。いまならコミュニティのオーナーになり放題です(笑)。 【追記 8/26】 Category : E-biz news Permalink | Comments (18) August 01, 2006
『ゼミ夏合宿2006』
今年もやって参りました恒例のゼミ夏合宿。一昨年、昨年に続き、3回目となった今年は、7/27〜30に淡路島・洲本での開催となった。 この夏合宿は、うちのゼミでは1年を通じて数少ない(というかほとんど無い)3年生・4年生の合同イベントである。2日目には、3年生は春学期に4チームに分かれて進めてきた企業ケーススタディの最終プレゼンを、そして4年生は各自の卒業論文計画の発表を行った。 うちのゼミは、こういったプレゼンでは発表者に対して容赦無い質問を嵐のように浴びせる文化を持っているので、3年生のみならず4年生もかなりの緊張感のなかでのプレゼンとなった。それぞれなかなか頑張ってくれて(もちろん注文はいろいろあるけど)、すべてのプレゼンが終了した午後5時、何とも言えない達成感と充実感を僕ですら感じた。 その後、2日目の夜は打ち上げコンパ。緊張感から解放されたゼミ生たちが、あれよあれよという間に壊れていく様は、まさにカタルシス。人様にお見せすることは到底出来ない。けど、そんなゼミ生たちにますます愛おしさを感じつつ、深夜4時頃僕もついに沈没。 3日目最終日の午前は、こちらも恒例(?)のスポーツ大会。全員完全に寝不足+二日酔いの体で激しく汗を流す姿は、まさにマゾヒズム。僕自身、春の合宿ではここで無理をして大変なことになったので、今回は多少セーブしようと心がけつつも、結局はガチで頑張る。その結果、左足の親指の爪が激しく内出血。爪が剥がれるのはもう時間の問題かと。 何はともあれ、充実した3日間でした。ゼミ生の皆さん、本当にお疲れさまでした!! Posted by MK @ 02:31 PMCategory : Teaching Permalink | Comments (2) |
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