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Thursday, February 27, 2003


引越しの荷造り、ほぼ完了。3年半の生活を考えると、荷物の量は思ったより随分少なかった。本や論文のコピーなどでダンボール6箱、衣服に至ってはたったの2箱。移動が多い人間にとっては、持ち物を少なめにしておくのは基本中の基本。それでも、やはり文献類は増えてしまったが、こればかりは致し方ないところか。

物質的なものに限らず、人間誰でも歳を重ねるにつれて捨てられないモノ/コトが増えてくるが、多くなり過ぎると身動きが取れなくなる。家なんか買ってしまおうものなら、人生の選択肢は劇的に狭まってしまう。もちろん人生の選択肢を複数キープしておくためにはそれなりのコストがかかるが(住居の賃貸料等)、それ以上にベネフィットも大きい。いつでもオルタナティブな生き方があるということは、精神的に豊かな生活をする上でとても重要なことなのではないだろうか。

とは言っても、やはり絶対に自分の所有物にしておきたいモノや自分のそばから離したくない(離せない)コトもある。しかしそれにも限度があるので、そうするのは自分にとって本当に大切なものだけにしておきたいものだ。


Monday, February 24, 2003


PhD論文のvivaが終わったのを受けて、その次の日に自宅でホームパーティーを開いた。3月あたまには日本に本帰国することになるので、イギリスでお世話になった方々への感謝の気持ちを込めて自主企画したfarewell partyである。

当日は総勢21人もの友人達が来てくれた。素直に嬉しかった。日本で生活していたら絶対に知り合えなかったであろう個性的且つ素晴らしい友人達に囲まれて、感傷に浸るのが好きではない僕も、この日ばかりはさすがに心に来るものがあった。

来て下さった皆さん、本当にありがとうございました。


2月21日にPhD論文のviva voce(口述審査)があった。かなり急いで論文を仕上げだけに、厳しいものになるとは思っていたが、想像していた以上に「コテンパン」にやられた。結果から言えば、部分的な修正を指示されただけで、基本的にはpassということなのだが、それにしてもキツかった。

特に、External Examiner(学外審査員)になってもらったProfessor Kalle Lyytinenのからの批判は厳しいなんてもんじゃなかった。しかも、やっかいだったのが、フィンランド人であるKalleが予想以上にアメリカ的なrigor(厳密性)を追求する研究スタイルに基づく批判をしてきたことだった。

情報システム論研究の分野でよく語られるrigor vs. relevanceの議論に基づいて言えば、僕の研究姿勢は比較的relevance寄りになってしまう傾向がある。つまり、議論の応用・展開可能性の射程(relevance)を広く取るかわりに、議論の厳密性や分析要素の設定の細かさ(rigor)が甘くなってしまうのである。そこをまさにKalleに突かれたのだった。

アメリカの経営学研究のスタイルは、基本的にはrigorを重視している(もちろんアメリカにも例外的な研究者はいるが)。議論の射程を狭く取り、扱う分析要素を細かく設定し、仮説-検証のステップを明確に踏みながら、定量データを中心に詳細な分析を行う。こうした研究スタイルに基づいた論文は、とてもシンプル且つ明快で、主張も力強いのだが、議論のドメインを狭く取り過ぎていて、簡単に言えば「退屈」なものが少なくない。

根っからミーハーに僕にとっては、人に興味を持ってもらえないような研究にはほとんど意味がない。どうせ時間をかけて研究するなら、より多くの人々、特に経営の現場の人々に興味を持ってもらいたいと極自然に思っている。そうなると、研究のrigorとrelavenceを天秤にかけるような状況に陥った際には、多くの場合僕はrelevanceを優先してしまいがちなのである。当然ながらそのような僕のスタンスは僕のPhD論文の随所に出ているはずであり、今回それがKalleによって厳しく指摘されたのである。事実、今回の論文には議論の厳密性が低い箇所がいくつかあったので、そこに対するKalleの批判は至極ごもっともなのである。

Internal Examiner(学内審査員)は僕もよく知っているDr. Edgar Whitleyで、EdgarはKalleよりも僕の論文を支持してくれたが、やはり彼からも議論が甘い部分を随所で鋭く指摘された。結果的には、論文内のいくつかの箇所について追加的な説明や記述の精緻化などの部分的修正を求められた程度で、論文のメインの論旨に関しては彼らに好意的に評価してもらえた。

総じて言えば、今回のvivaは、僕にとって非常に貴重な体験となった。なぜなら、人から批判的意見をこんなにもストレートに突きつけられるのは、今後もそうそう無いだろうから。学会発表の場で質問を受ける際には質問者側に最低限の「遠慮」のようなものがあるが、vivaは批判するのが目的のようなものなので、Examinerにそんな気の利いた「遠慮」なんかゼロである。気持ち良いくらいストレートに批判してくれた。それはそれで論文の内容や自分の研究スタイルを再度客観的に考え直す良い機会になった。

というわけで、ようやく僕の博士研究ももうまもなく終わりを迎えようとしている。これまで指導してもらったCarstenには心から「ありがとう」と言いたい。


Sunday, February 09, 2003


いまネットを通じて4月からの日本の新居探しをしているところなのだが、いまさらながらに日本、特に関西の賃貸不動産市場の閉鎖性を感じる。言うまでもなく、敷金・礼金という昔ながらの慣習のことである。

ふつう賃貸物件を借りる際には、学生の下宿のようなワンルームの部屋を借りるのですら、家賃4〜6ヶ月分の保証金を契約時に家主に収める必要がある。全国的にこの敷金・礼金の制度は廃れつつあるらしいのだが、関西では依然根強く残っている。退出時に収めた半分程度は戻ってくるとはいえ、最初の契約時に何十万、家族向けの部屋を借りる際には百万円を超えるようなお金を用意するのは、20代・30代にとっては至難の業である。

敷金・礼金は家主側にとっての担保なわけだが、ひらたく言えば「見ず知らずのよそ者は信用しないよ」ということである。聞いた話では、この敷金・礼金のルーツは京都にあるらしいのだが、よそ者に対して冷たい関西の歴史背景が色濃く出ているといえる。しかも、「礼金」というのが笑わせる。借りる側が家主に対して、「貸してくださいましてありがとうございました」ということをお金で表現しろということなのである。なんとまあ偉そうなことか。

しかし、この21世紀の現代社会において、いろんな地域に移り住むことはさほど珍しいことではない。特に戦後世代に関しては、同じ地域で生まれてから死ぬまでずっと住み続ける人々のほうが少なくなってきているのではないだろうか。そんな現代において、敷金・礼金の制度は、人のスムーズな移住を妨げる大きな障害である。経済学的に言えば、この制度はあまりに不公平な「新規参入障壁」である。WTOに提訴されれば、間違いなくクロの判定が出るに違いない。

いま僕が住んでいるイギリス・ロンドンの賃貸物件は、一時の日本の土地バブルに近い高騰ぶりだが、移住者にとって非常に都合よくできている。デポジット(保証金)は家賃1か月分だけ。ほとんどの物件は家具付き。冷蔵庫・レンジ・洗濯機・照明などもほとんど設置済み。ものによっては食器まで揃っている。つまり、気に入った物件が見つかって契約が終われば、体ひとつですぐに生活が始められるのである。こうした意味において、ロンドンは「よそ者」にとって大変住み易いところである。翻って、関西の閉鎖性ときたら、(以下略)

まあ、僕がこうやって愚痴らなくとも、遅かれ早かれこの敷金・礼金制度は無くなっていき、保証金も1〜2ヶ月という良識的な範囲内に収まっていくだろう。ただ、関西においてはその変化には、まだもう少し時間がかかるみたいだ。


Wednesday, February 05, 2003


今日、健康診断を受けたあと、Oriental Cityの旭書店に寄って「グイン・サーガ」第87巻を買ってきた。いつものごとく、2時間あまりで一気に読んでしまった。この「グイン・サーガ」、いま僕が読む唯一といっていい小説。昔は小説もよく読んだのだが、時間の余裕がなくなってきて徐々にその数は減っていき、残ったのがこのシリーズだけ。やっぱり連続モノは続きが知りたくなるのが読者の心情というもの。

この「グイン・サーガ」、ひとつの連続シリーズとしては世界最長(?)らしいが、著者の栗本薫の筆力・構想力・そしてその多筆ぶりには感嘆させられるばかり。こういうSFファンタジーモノが嫌いな人もいるとは思うが、僕にとってはなかなか思い入れが強いシリーズ。中学時代に姉が友達から借りてきていた第1巻を読み始めたが最後、どんどん話に引き込まれていった。

内容は、いわば三国志をSFファンタジー風味に仕立て上げたようなものなのだが、100人を優に超える登場人物の人間模様と壮大な世界観が絶妙に(いまのところ大きな破綻もなく)構築されている。あれが、栗本薫という1人の頭のなかで作り上げられられたものだということを思うと、驚愕としか言い様がない。

このシリーズ、全100巻の予定だが、既に著者がそれで終わらないことを示唆している。僕にとって唯一の小説の愉しみは、もうしばらく続いてくれるみたいだ。


Tuesday, February 04, 2003


サイトリニューアルほぼ終了。日本語をメインに構築しなおした。シンプルなデザインを心がけたつもり。プロの仕事と比べると見劣りするのは当然だが、まずまずのデキではないかと自分で勝手に思っている。

博士論文提出後のお休みもそろそろ終わりにしないといけないだろう。なんだかんだいってやることは一杯ある。日本に帰ったらしばらくは本もゆっくり読めないだろうから、急ぎのものは今のうちに読んでしまわないといけない。特に、Giddensなどの理論書は読むのにも気合がいるから、今しか読む時間がないとも言えるし。

明日は健康診断。たかが健康診断に200ポンドも払うのはバカバカしいが、仕方が無い。


Archiveファイルのテンプレートの調整がうまくいかない。


Monday, February 03, 2003


まだどこからもリンク張られていないし、誰にも教えていないこのサイト、WWWの中の離れ小島のはずなのに、昨日日本からお客様が来られた模様(InfoWebより)。直接URL打ってたまたま来られたのだと思うが、フライングして作ったサイトを見られて、なにやらこっぱずかしい気分になった。なにはともあれ、お客様第一号様、宜しくお願い致します。


blogger postのテスト


ようやくbloggerの設定終了。結構手間取ったが、今後は使いやすそう。


日本語での入力テスト。


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